悪性リンパ腫の中にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があり、日本人の悪性リンパ腫では、約90%が非ホジキンリンパ腫(NHL)である。NHLを診断するマーカーでは、乳酸デヒドロゲナーゼが挙げられているが、正確性という点では、満足のいくものではありません。
概要
本論文では、MALDI-TOFMSを用いて、30名の健常者と30名のNHL患者の尿について、マーカー探索を目的として、メタボローム解析を行った。
低質量(1000 m/z以下)のピークを解析して、トータルピークで値を標準化した。1サンプル当たり4度測定を繰り返して、実験条件に影響を受けないピークをピックアップした。
健常者とNHL患者の間で差が見られる物質を探索するために、p-valueで順位付けを行い、その中でピーク強度が高いものを選択した。その中で、マーカー候補としてm/zが137.08の物質が挙げられた。この物質は、NHL患者の尿で減少していた。
HMDBで検索した結果、m/zが137.08の物質の候補としてヒポキサンチンが挙がり、LC-MS/MSを用いて確認された。
NHLの診断において、ヒポキサンチンは感度(有病正診率)78.4%、特異度(無病正診率)79.2%を示し、高い診断能を有している。
また、ヒポキサンチンからキサンチンオキシダーゼによって生成されるキサンチンもNHL患者の尿で減少していた。
ヒポキサンチンおよびキサンチンのレベルは、癌のステージや予後指数、骨髄障害とも関連がなく、臨床的な面では不明な点が多い。
結論
NHLの診断マーカー候補としてヒポキサンチン、キサンチンが同定された。
癌では有効な診断マーカーを同定するのは難しいと考えられている中で、悪性リンパ腫によって尿のヒポキサンチンおよびキサンチンの量が減少するのは興味深い現象ではあります。しかしながら、ステージやその他の臨床項目とマーカーのレベルに関連性がなく、臨床で応用されるようにするには解決しないといけない問題が多いと思われます。
Yoo BC, Kong SY, Jang SG, Kim KH, Ahn SA, Park WS, Park S, Yun T, Eom HS.
Identification of hypoxanthine as a urine marker for non-Hodgkin lymphoma by low-mass-ion profiling.
BMC Cancer. 10 55, 2010
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