ヒト

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【研究者インタビュー】名古屋大学大学院医学系研究科 伊藤嘉規講師

名古屋大学大学院医学系研究科で小児医療について研究をなさっている伊藤嘉規先生にお話を伺いました。

伊藤先生は主に小児科学、ウイルス学の分野で研究を続けていらっしゃいます。2010年にHMTメタボロミクス研究助成を受賞された鳥居ゆか先生も伊藤先生の研究室で研究されています。

―初めに、研究課題について簡単に説明していただけますか?

我々の研究室では主に基礎研究、臨床研究の二つの柱に沿って研究を行っています。…

いまアツいメタボローム解析とは? -代謝フラックス解析⑤

こんにちは、B&Mの大賀です。前回は培養細胞・微生物のフラックス研究を紹介してきましたが、今回は多細胞システムの研究成果を3報ご紹介します。

一報目は、HMT研究員藤森の十八番の植物メタボローム研究です。…

肥満遺伝子はあるのか?

こんにちは、バイオメディカルグループの篠田です。私は子育て5年目なのですが、週末も子供と格闘する時間が多く、運動する時間がとれず(言い訳?)体重が増加傾向なのが目下の懸案事項です。もし自分が遺伝的に肥満体質とわかれば、もっと危機感を持つのでしょうが、そんな生まれもっての「肥満遺伝子」はあるのでしょうか?…

絶食後の代謝変化

こんにちは、HMTの大賀拓史です。こちら鶴岡は、お休みのあいだ良い天気に恵まれていました。

日曜日で大型連休も終わり、今日からはまたバリバリお仕事を、という方もたくさんいらっしゃるでしょうか。一方で、体も心もすっかり「お休みモード」になってしまい、なんだか仕事に戻れない...なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。

いくら頭では必要だと分かっていても、いきなり全力でというのは、ちょっとしんどいものです。まずは準備体操がてら、ちょっとした作業で気持ちを切り替えたりするのも良いかもしれませんね。

HMTでは上手い具合に、今日はお仕事の前に、定期の社内清掃がありました。休みボケの頭を回し始めるには、ちょうど良い作業量だったようです。

「作業量」を意味する「load」という単語ですが、実験では「負荷」という表現で使われたりします。ある一定の状態に、外部から刺激やストレス、つまり負荷を与えて、それに対する応答を見る、という実験はよく行われますよね。…

代謝プロファイルから示されるサルコシンの前立腺がん 進行への関与 (Nature誌)の逆説的解釈(前編)

こんにちは。バイオメディカルグループの大橋です。

2月12日号のNatureに”Metabolomic profiles delineate potential role for sarcosine in prostate cancer progression”という論文が発表されました。論文の内容については[こちら]をご覧ください。

大学院ではよく、「論文は批判的に読め」と指導されます。これは、「人の論文のアラを探せ」という意味ではなく、論文に書かれている研究結果やその解釈について、自分の経験と照らし合わせて本質的なものとそうでないものを区別しろという意味です。そのような意味で、論文の行間を読みながら本質を見抜いていくのは容易でありません。

このNature論文は、いろいろなところで紹介されていますが、強調されている点は様々です。解釈は十人十色だということでしょう。また、多くの人から解釈についていろいろ問われます。これは、この論文がこれまでに有名雑誌で紹介されたメタボロミクス関連論文とは明らかに違う価値があると多くの人が感じていることを示しています。

そこで、メタボロミクスの研究者として、どのようにこの論文を解釈しているかについての私見を述べてみたいと思います。…

実はよく分かっていないイソフラボンが体に良い理由

こんにちは、HMTの大賀拓史です

昨日は節分でしたね。もう、2月ですか...あえてもう一つの2月の行事には触れませんが、毎年この季節になると、お店の広告がカレンダーに代わって時の流れの早さを教えてくれます。

そういえば、私自身は最近、「豆まき」を全くやらなくなってしまいました。豆まきのやり方は地域や時代によって異なるかと思いますが、私が子供の時は、炒った大豆を部屋中にばら撒いて「年の数+1粒」を食べる、というスタイルでした。後で掃除の苦労が待っていることを知ってはいても、そこは自制心より勢いが勝る幼少期の自分。結局、それから数日間、年の数よりもはるかにたくさんのお豆がおやつになったことを覚えています。

その当時は全く意識していませんでしたが、最近はこの大豆に含まれている「イソフラボン」が大いに注目されていますね。…

ヒトのES細胞使った世界初の臨床試験、FDAが承認

こんにちは、HMTの大賀拓史です

鶴岡は先週の末から大雪に埋もれていましたが、昨日からは一転して気持ちの良い快晴です。空気が澄み切っているおかげでしょうか。社屋からは、白化粧をした月山の山頂がくっきりと観えています。

メタボロミクスとはあまり関係が無いのですが、今日はこんなニュースの紹介を。…

概日リズムと代謝

こんにちわ HMTの大賀です

こちら鶴岡はずいぶん寒くなり、本格的な冬の気配が漂っています。近頃は雨の日が多く、ようやく晴れたかと思いきや、いきなりの夕立にがっかりさせられる、そんな日もあります。

昨日は珍しく、朝から気持ちのいい空がのぞいていました。こちらの地方は、冬になると晴れの日がほとんどないそうですね。(関西出身の私にはちょっとしたカルチャーショックです) せめて今のうちにしっかりと、陽の明るさを楽しんでおきたいものです。

そういえば、前回のコラムでも少し触れましたが、冬になると光が弱まり、植物の光合成量が少なくなるために葉の色が変わるのかもしれない、という説があります。しかし、太陽の光が得られなくなると元気がなくなるのは、なにも植物だけではありません。ほかならぬ私たち人間にとっても、「光を浴びる」ということはとても重要な意味を持つようです。…

メタボロミクスが華ひらくとき

こんにちは HMTの大賀です。

先週は鶴岡市を流れる赤川で花火大会がありました。「全国デザイン花火競技会」として毎年行われるこの花火大会、今年は夜空に 10,000 発以上の華が咲き、普段は閑静な川辺も多くの人で賑わいました。

ところで、技術や学問にも、華ひらくとき があるものです。

何をもってその時とするかは人それぞれの意見があるかと思いますが、世に広く知られるという意味で、いわゆる「メジャーな科学誌」に論文が発表されることが一つの目安になるかと思います。

メタボロミクスに関する論文も、これまでいくつかの有名な科学誌に掲載されていますが、今回はその中でも、メタボロミクスが世に広まりはじめた2000年代前半にNature Biotechnology 誌に掲載された 2 つの論文をご紹介したいと思います。…

メタボロ太郎なう

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