metabolomics

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メタボロミクスにおける安定同位体の利用

研究開発本部の藤森です。今回から安定同位体を採り入れたメタボロミクスについてのお話です。

一般的なメタボローム解析では、細胞内のあるタイムポイントでの代謝プロファイルしか見られません。

例えば、植物の葉のメタボロミクスにおいて、植物をある条件に置いた時に、TCAサイクルでクエン酸、イソクエン酸のレベルは変動しないが、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸のレベルは低下し、さらにグルタミンをはじめとする特定のアミノ酸のレベルが上昇したとします。…

メタボロミクスで新しい知見を導き出すためには?

研究開発本部の藤森です。前回「メタボロミクスを何が変えたか?」ではメタボロミクスの結果のみから可能性を考察するだけの段階から、さらに実験結果を加えて新しい知見を導き出す段階に進む契機となった論文について触れましたが、今回はメタボロミクスで得られた結果に対して可能性の提唱等の考察をするだけでなく、新しい知見を結論づけるために具体的にどうすればよいのかについてお話しできればと思います。よろしくお願いいたします。

「メタボロミクスの結果で、表現型とある代謝物質レベルの挙動がリンクしている可能性が非常に高いことが分かった」という研究を想定してみましょう。その後、何をすればそこから新しい生物学的知見が得られるのでしょうか?…

メタボロミクスを何が変えたか?

研究開発本部の藤森です。「メタボロミクスは何が変わったか?」に続いて、今回はメタボロミクスの進化の契機となった論文についてご紹介します。

前回のブログでは、メタボロミクスは「ただ測って可能性を示唆するだけ」の段階から「新しい生物学的知見を明らかにする段階」まで、学問として進化してきたことに触れました。それでは、その契機となったものは何だったのでしょうか?…

メタボロミクスは何が変わったか?

研究開発本部の藤森です。今年度、メタボロミクスのブログを執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

メタボロミクスが行われるようになってから、約10年間が経過しました。その間にメタボロミクスは著しい進化を遂げました。それは初期の頃のメタボロミクスの論文と最近の論文を読み比べていただければ、一目瞭然だと思います。今回のブログでは初期の頃と最近のメタボロミクスの比較をご説明します。

従来の研究は、生物のある一つの現象に着目し、これまでの知見を基に仮説を提唱し、それを実験によって証明するという方法がとられてきました。

一方オミクス研究は、仮説を立てずにデータを収集し、得られたデータから新たな知見を抽出するという方法がとられてきました。つまり、仮説の立てにくい研究ではオミクス研究に大きな優位性がありました。…

第69回日本癌学術総会に参加しました

こんにちは、バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。大阪の大阪国際会議場とリーガロイヤルホテルで2010年9月2日(水)から24日(金)まで行なわれました第69回日本癌学会学術総会に参加してきました。

癌学会は規模が大きく、大小合わせると16のセッションが同時進行し、基礎から臨床まで非常に多くの研究発表が活発に行なわれていました。

がん研究は、非常に多岐にわたって細分化されており、基礎・臨床共にそれぞれの分野では研究が進んでいますが、それらの成果を統合して患者への治療の現場に活かされているとは言い難い状況でした。がん研究は、研究領域が広すぎるので、今の段階では仕方がないのかもしれません。

 
今回はオミクスががん研究にどのように活かされているかに注目して参加しました。…

いまアツいメタボローム解析とは? -代謝フラックス解析⑥

こんにちは、B&Mの大賀です。前回は、メタボロミクスと共に安定同位体ラベルや数理モデルを駆使した近年の代謝フラックス解析を紹介しました。今回は代謝フラックス研究者が陥るであろうジレンマについてお話します。

代謝フラックスのデータを得る時、多くの研究者は『あるジレンマ』に突き当るのではないでしょうか?そのジレンマとは「多くの測定法が侵襲的であるため、データを得ると同時にその時点から先の代謝情報を失ってしまう」というものです。…

第5回メタボロームシンポジウムに参加しました

こんにちは、バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。山形県鶴岡市のグランドエルサンで9月9日(木)から1日(土)まで行なわれた第5回メタボロームシンポジウムに参加してきました。

口頭発表は、一般セッション、植物セッション、栄養セッション、医療セッションでの発表がありました。今年度の特徴としては、栄養セッションが新たに追加されたことでした。…

いまアツいメタボローム解析とは? -代謝フラックス解析④

こんにちは、B&Mの大賀です。代謝フラックスにおけるメタボローム解析の活用について、今アツい論文をお届けしています。今回は、最近発表された研究成果の中から、とりわけ私をアツくしてくれた論文を4報ご紹介したいと思います。…

アジレントメタボロミクスセミナー@東京

こんにちは、HMTの井元淳です。

大阪に引き続き2月26日には東京でアジレント社のメタボロミクスセミナーが行われました。東京でも100名の枠に対し、112名の方が参加してくださいました。ありがとうございます!

内容は大阪と同じなので、今回はHMTから講師として参加した4名を紹介します。

アジレントメタボロミクスセミナー@大阪

こんにちは、HMTの井元です。今日はまた寒いですね。桜の開花予想が発表されましたね。東京は3月24日で平年より早め、山形は4月15日で平年並みだそうです。

2月25日に大阪でアジレント社のメタボロミクスセミナーに参加してきました。50名の枠でしたが、67名の方に参加していただけました!東京会場は早々に募集が締め切られてしまったので、わざわざ東京から参加してくださった方もいらっしゃったようです。ありがとうございます!年々メタボロミクスへの関心の高まりを感じますね。…

メタボロ太郎なう

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