ビフィズス菌「LKM512」とアミノ酸「アルギニン」の摂取が寿命伸長と脳のアンチエイジング効果をもたらすことを明らかに

研究開発型バイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社※1(本社・山形県鶴岡市、代表取締役社長・菅野 隆二、以下HMT)は、協同乳業株式会社※2(本社・東京都中央区、社長:尾﨑 玲)松本光晴主任研究員らとの共同研究により、ビフィズス菌「LKM512」とアミノ酸「アルギニン」を組み合わせて摂取することにより、マウスにおいて寿命が伸長するだけでなく、 加齢時の学習・記憶力の成績が高いことを明らかにしました。なお、本研究結果は、Nature姉妹誌「Scientific Reports」で4月1日に公開されました

研究背景・目的
  • 食品の摂取によりアンチエイジング物質として注目されている大腸内のポリアミン濃度を上昇させ、健康寿命を伸長すること
  • 中年期以降でも食品の摂取によりアンチエイジング効果を得ること
結果
  • 14ヶ月齢のマウス(日本人平均寿命換算50歳程度)に、既に寿命伸長効果が確認されているビフィズス菌「LKM512」とアミノ酸「アルギニン」を併せて投与したところ、すべての個体において単独投与よりも大腸内のポリアミン濃度が効果的に上昇し、ポリアミンが老年病の原因となる慢性炎症を抑えることにより寿命が伸長することを確認しました。
  • また、14ヶ月齢から「LKM512」と「アルギニン」を投与したところ、20ヶ月齢(日本人平均寿命換算70歳程度)時点で、同成分を摂取していなかったグループと比較して空間学習・記憶力の成績が良かったことを確認しました。

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本研究結果は、すべての個体において大腸内のポリアミン濃度上昇に伴って高齢マウスでも寿命が伸長し、かつ学習・記憶力が向上することを明らかにしました。これは個人差のある大腸内の環境に左右されない大腸内ポリアミン増強技術の開発に成功したことを示しています。

一般的にアルギニンは大腸の手前の小腸でほとんどが生体内に吸収されてしまうため、現在は大腸まで確実にアルギニンを届けるための技術開発を行っています。

プロファイル

※1 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社について
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)は、CE-MS法の技術をもとに2003年7月に設立され、メタボロミクスのリーディングカンパニーです。2013年12月には東証マザーズに上場いたしました。
主な事業内容はCE-TOF MSを利用したメタボローム受託解析で、メタボローム解析技術を用いたバイオマーカー探索のほか、医薬、機能性食品、発酵プロセスの最適化などの分野で実績を上げています。今後は環境、エネルギー、化学などの分野も視野に入れ、幅広い分野での貢献を目指しています。

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※2 協同乳業株式会社について
協同乳業株式会社は1953年に創業、「メイトー」ブランドで牛乳、ヨーグルト、プリン、アイスクリーム等の製造・販売を行っている総合乳業メーカーです。「ホームランバー」や「カスタードプリン」など数々のロングセラー商品を生みだしてきました。http://www.meito.co.jp/
最近では、ビフィズス菌「LKM512」によるマウスの寿命伸長効果を発表し、プロバイオティクスの新規機能の発見として新聞・TV等で大きくとりあげられ話題になりました。また、今まで未知の領域だった腸内常在菌の代謝産物、特にポリアミンに焦点をあて、腸内環境と健康・疾病の関連性の解明を目指し、独自の切り口で研究を進めています。http://www.lkm512.com/

論文情報

Upregulation of colonic luminal polyamines produced by intestinal microbiota delays senescence in mice (腸内常在菌による大腸内ポリアミンの増強はマウスの老化を遅延させる)

Ryoko Kibe, Shin Kurihara, Yumi Sakai, Hideyuki Suzuki, Takushi Ooga, Emiko Sawaki, Koji Muramatsu, Atsuo Nakamura, Ayano Yamashita, Yusuke Kitada, Masaki Kakeyama, Yoshimi Benno & Mitsuharu Matsumoto

Scientific Reports 4, Article number: 4548

[ジャーナルウェブサイト(全文)]

補足資料

参考資料

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