徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部大政健史先生へのインタビュー、後篇です。前篇はこちら。
―今後どういった方向性で研究を進めて行かれる予定ですか?
ヘテロジェネイティ、不均一性を大きな主眼点として置いています。
微生物やヒトの初代細胞は細胞の性質が割ときちんとして一つであり、ゲノムも一つです。そもそも混ざりものじゃないんです。一方、CHO細胞のように細胞株を樹立している、つまり、無限に増えることが元来無いものが無限に増えるようになった細胞の場合は、染色体の数にも不均一性、つまり分布があります。たとえ分布のないものであっても培養をしている間に分布ができます。…
今回は、徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部で細胞を使った抗体医薬の生産について研究なさっている大政健史先生にお話を伺いました。前篇・後篇に分けてお届けします。
大政先生は生物化学工学の分野で研究を続けてこられており、現在は経済産業省の「個別化医療に向けた次世代医薬品創出基盤技術開発(国際基準に適合した次世代抗体医薬等の製造技術)」のプロジェクトリーダーもしていらっしゃいます。
―初めに、先生のご研究について簡単に説明していただけるでしょうか
私の専門分野は生物化学工学で、生物を使って何かものつくりをするということに関わる様々な技術的な開発をしています。…