6月25日~28日にシアトルで開催されました。
総勢850名の会議ですが、素晴らしい盛り上がりを見せていました。HMTからは3名参加しましたが、今回はHMTからの発表はなく、情報交換、旧友との交流、技術トレンドの把握が目的でした、印象的だったことをサマリーすると以下のようになります。
- オーラル発表では、グラフ1の通り、主催国のアメリカが圧倒していました。昔と変わらず、オーラルはネイティブ英語国が多いです。ただ、ポスター発表は502件で国は多様でしたが、中国の台頭を感じました。
- オーラル発表のテーマ別ではグラフ2で示すように、従来どおりに医療が多かったが、今回は腸内細菌のテーマが2つ出来たことが注目点だと思います。その分、食品枠が減少した印象です。
- 参加者850人は増えてなく、さらに増やすような次のステージに行くための何か仕掛けがいると感じました。やはり、分析機器メーカーにとっては重要な学会でもあるが、アプリケーションではその専門分野での学会のなかでのメタボロミクスに流れている感があります。それは、メタボロームがいろいろな分野に使われてきているというポジティブなことでもあるので、良いとおもいます。これから必要なのは、がんメタボロミクス、食品メタボロミクスのような細分化された研究会的なものも増えて行くことです。また、分析的には、分析の標準化をプラットフォームごとに進める必要があるように思います。
- 今回、NIHのコアラボが7箇所出来ていますが、全米TOPのUCデービスのオリバー・フィン先生以外の活動は目立ちませんでした。その施設の機器の状況は写真1の通りですが、慶応大学と比べると慶応の設備が断然優れていることがわかります。(MS合計40台が稼働中)やはり、慶応は世界TOPクラスのメタボローム施設であり、日本の誇りだと思います
- 分析機器メーカーではブースでの会話、ポスターでの状況からやはりAgilentが1歩リードしていると感じました。
学会前後で、関係者とのミーティングがありました。中国の大連化学物理研究所のGuowang Xu先生との会食で日中関係改善も含めて大いにもりあがりました。Xu先生は学会ではPlenaryレクチャーの先生でメタボロミクス国際学会の中国代表です。発表ではHMTとのコラボについても語ってくれました。
翌日はAgilent主催の日本人向けの懇親会Agilent Nightがありました。異国での日本人同士の会は気楽さもあって、大いに盛り上がりました。
学会後は私の古巣である、Agiilentの本社に行ってきました。Agilentとメタボロミクスの将来について語ってきました。 HMTが培ったCE-MS力を共有できました。
今回のメタボロミクスの旅で個人的に感じたことを5つあげるとすれば、
- 解析技術はまだまだ進歩していること、
- 解析の標準化がなかなか進んでないこと、
- 応用がいろいろな分野で急速に進んでいること
- HMTが海外展開する意味が明確になったこと(ユニークな技術が期待されている)
- 中国が台頭しそうな動き
以上を踏まえて、中国への浸透を急ぎ、日本、HMTの中国内でのプレゼンスを高めたいと思いました。また2019年度は、第15回国際学会がオランダで開催されますが日本代表としてプレゼンスを創りたいと思います。山形県鶴岡市で生まれたCE-MSベースのメタボロミクス解析技術を世界に発信してきましたが、まさにこれからが、鶴岡の奇跡の実現に向けて大きな飛躍時だと実感できました。
皆様のこれからのご支援をお願いします。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。