こんにちは。バイオメディカルの大橋由明です。今週はヨーロッパ紀行の後半をお届けします。ベネルクス質量分析国際会議の様子などはヨーロッパのメタボロミクス(前編)をご覧ください。
5.「レースを編む女」に弄ばれた話
ヨーロッパ最後の1日はパリ。帰国の前に午後の3時までオフです。しばらくメタボロミクスはお休み。
大橋はおのぼりさんらしくルーブル美術館とシャンゼリゼ通りをお散歩です。とは行っても今日は土曜日。パリの休日といえば聞こえがいいのですが、どこも混んでいます。とりあえずホテル近くから地下鉄に乗って、サン・ジェルマン・デ・プレ駅に降り立ち、セーヌ川の方へ歩いていきます。セーヌ川は美しい。感動しました。
セーヌ沿いの遊歩道を通ってルーブル美術館へ。世界中のおのぼりさんで超混んでいるので、お目当てのモナリザのところへ一目散。意外にも遠目でしか見られずに残念でしたが、これで「モナリザを見たことがある」と言えるようになりました。
実は密かに楽しみにしていたのがフェルメールの「レースを編む女」。アムステルダムでは「牛乳を注ぐ女」にお会いする時間が取れなかったので、逸る気持ちを抑えて、さりげなくレースを編む女がいるという建物に潜入しました。広い館内をガイドブック片手にじりじりとレース女の方へ歩み寄ります。
すると、「いない!」。
レース女がいるはずの壁は、カラッぽなのです。おろおろと彷徨う大橋。帰国してから判明しましたが、なんと東京の国立西洋美術館で「ルーブル美術館展」に出展中とのことです。なんというすれ違いでしょう。
ガイドブックを眺めていたら、パリ万博のメイン会場だった建物が科学博物館になっているらしい。「発見の殿堂」という建物があります。中を見る時間はありませんでしたが、今度来たら是非寄りたいと思います。
ラボのみんなにお土産をと、シャンゼリゼ通りのマカロンのお店へ。店員のお兄ちゃんが18種類の色鮮やかなマカロンを前にひとつずつ説明してくれます。フランス語で。大橋の後に行列ができてしまったので、分からないから説明はイイよって思いましたが、結局全部説明されて、1個ずつ頂戴みたいな感じになりました。皆さん、お味はいかがでしたか?
地下鉄でCedet駅に戻り、菅野社長と落ち合ってタクシーでシャルル・ド・ゴール空港へ。飛行機の中では近くのフランス人が日本語の練習をしていて、「ビル、クダサイ!」を繰り返しています。どうも「ビールください」と言いたいらしい。「日本ではビルはビルディングのことだから、そういったら大変だよ。ビールも飲めないよ。」と教えてあげたら、今度は「ビール、ビール」と繰り返しています。よっぽど日本でビール飲みたいんだね。お気をつけて、日本を楽しんでいってくださいね。
最後に
長い歴史を背景に、伝統と先端技術をバランスよく融合させているヨーロッパ。これらの国々で育った人々は、重厚感があり、またホスピタリティーに溢れています。メタボロミクスの分野でも、ライデン大学のほかにインペリアルカレッジ・ロンドンやマックスプランク研究所、ウプサラ大学やウメオ大学など、第一線で活躍する研究者がめじろ押しです。何かとアメリカに牽引されることが多いサイエンス。しかし、ヨーロッパの研究者とのコミュニケーションも大切にして、未来のメタボロミクスを築き上げていこうと心に誓った旅になりました。