HMT営業マーケティング本部の田中淳です。メタブローグでは初めて記事を書かせていただきます。
去る2016年12月16日~19日にシンガポールで開催された、ESMO Asia 2016(http://www.esmo.org/Conferences/ESMO-Asia-2016-Congress)に
参加してまいりました。
シンガポールへ出張に行くときは、大体いつも荷物はキャリーケース一つ収まるのですが、今回は学会用の荷物もあります。出張用の荷物と学会用の荷物、併せて40kg超を、運送会社を使わずに一人で日本から運び込んだため、腕が千切れそうになりました。
今回のカンファレンスは、スイスに拠点を置くEuropean Society for Medical Oncologyが主催するもので、主催者発表によると、2700名を超える参加者が各国から集まったとのこと。HMTのブースには、シンガポールのみならず、韓国、香港、インド、インドネシア、ロシアなど、様々な国のお客様がお見えになりました。お越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。
なお、この写真は開催前日に撮ったもので、設営を終え、いかにも綺麗にセットアップされたブースの様子が映し出されておりますが、実際には両面テープが弱かったため、翌朝にはすべて剥がれ落ちてしまい、もう一度最初から設営をやり直した、というサイドストーリーがあります。
朝、ブースに来て、あるはずのポスターが何も無い壁を見たときには、
夏草や 兵どもが 夢の跡
という芭蕉の句が思い出されました。
そのほかにも、
- HMTのブースの上のみ雨漏りがしたため、ブースの入り口の半分近くの大きさがある観葉植物で水を受ける
- 出し抜けに、カウンターの底が抜ける
- 通路に捨てられた自分の名刺を発見する
といった、数々の出来事が、学会の思い出に彩を添えてくれています。
さて、今回は、HMTのアジアでの展開について、少しお話したいと思います。
HMTでは2015年からアジアパシフィックエリアでの営業活動を本格化し、シンガポール、香港、韓国、マレーシア、台湾、インドネシア…と、着実にその活動範囲を広げております。その中で、HMTが最も注力しているのが、シンガポールでのセールスです。
シンガポールは、マレー半島の南端、北緯1度付近に位置する小さな都市国家で、その国土面積は東京23区と同程度です。土地・資源・労働力に乏しい同国では、早くから経済発展のため、海外企業・人材の誘致を積極的に行ってきており、特にバイオテクノロジー関連の投資に力を入れてきたことで知られています。
現在のシンガポールでは、シンガポール国立大学(NUS)、南洋理工大学(NTU)、DUKE-NUSといった世界的に評価の高い大学、日本の理研や産総研に相当するA*STAR、基礎・臨床研究を行う病院の研究者、そしてシンガポールに拠点を置く外資系企業の研究所などが、一体となってバイオメディカル産業を形成しています。
政府による拠点整備も充実しており、NUSがあるKent Ridge, 様々な臨床施設と大学が一体なったOutram、A*STARと企業の研究所が日々活発に交流しているBiopolis、各社の製造拠点が軒を連ねるTuasなど、小さな国内に、積極的に海外からの投資を呼び込んでいます。
HMTでは、
- 世界トップレベルの研究者が多数在籍していること
- アカデミア研究者に、日本と比較しても大きな研究予算が割り当てられるチャンスがあること(最大で約30億円/5年)
- HMTの顧客となりうる、世界的な大企業の研究拠点があること
- 測定検体の送付に関し、法的な制限が少ないこと
- ほとんどの顧客が、ビジネスに支障ないレベルで英語を解すること
- 国土が狭いため、一人の営業担当者でほぼすべての顧客をカバーできること
などの理由から、シンガポールをアジアでのビジネスにおける重要な足がかりとして位置づけており、営業担当者(私です)が足繁く出張しては、お客様にHMTの技術とサービスをご紹介しております。
ありがたいことに、すでに多数のアカデミア・企業の方からサービスのご用命をいただいており、今後とも、皆様のご期待に添えるよう、より一層精進していく所存です。