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HMTからのお知らせ

Cross-Maker Comparison of ballpoint pens as a promoting tool (imoto et al.)


こんにちは。HMTの井元淳です。今日も朝から晴れて気持ちいいですね。

先日ETHチューリッヒのグループがメタボロミクスプラットフォームの比較を行っていましたが、今回私はメタボロミクスプラットフォームを提供する分析機器メーカーが配布しているボールペンの比較を行ってみました。

Materials

ベネルクス質量分析国際会議で配布されていた各分析機器メーカーのボールペン(非売品)

Discussions

(アルファベット順)

200903agilent.jpg

Agilent社のボールペンはボディがスケルトンになっており、クリップの部分が金属なので近未来的な印象を受けます。普通ボールペンはノッカーの部分がボディよりも小さ(細)くなっていますが、このボールペンはノッカーがボディに覆いかぶさるようになっており珍しいデザインです。グリップもついていてしっかりとした作りなので、もう少し重みがあったら文句無しです。

Agilent社のロゴの色は落ち着いた水色ですが、おそらく既製品から近い色を選んでいるためロゴから受ける印象とは少し違うのが残念です。

200903abi.jpg

Applied Biosystems社は、ロゴカラーでまとめたプラスチック素材のボールペン(スペインBIC社製)も配布していましたが、そのほかにポストイットとボールペン2本(赤・青)がワンセットになった珍しいグッズも配布していました。他の分析機器メーカーは普通のボールペンばかりなので、かなり目立っています。

ボールペンのボディが短く細いので書きにくそうですが、メモする紙も同時に持ち歩けるのは便利です。それがただのメモ帳ではなくポストイットというのがなお便利です。ですがAgilent社同様、ロゴの青色とボールペンの青色で印象が異なるのが残念な点です。

また普通のボールペンのほうも、BIC社製のボールペンはファンも多いですし、白衣の胸ポケットに入れたときに社名が見えるよう、クリップの部分に社名がプリントされていて、こだわりが見えます。ただし、相当チープでノックするたびにきゅるきゅる音がします。

200903bruker.jpg

Bruker社のボールペンも銀色のボディに青色のノッカーで、他社のボールペンとあまり違いはありません。ただ、ペン先のカッティングや、ノッカー部分に使途不明の丸い窓がついているなど、デザインにこだわっているようです。さすがイタリアの販促ボールペンメーカーLecce Pen製だけあります。また、ボディにロゴだけでなくURLがプリントされているのはBruker社だけでした。

200903dionex.jpg

Dionex社のボールペンはかなりシンプルなつくりですが、BIC社製品を使用しており、選んで購入する人もいるくらいですから、販促品として好感が持てます。ペン先が金色のところがBIC社製らしいです。ABI社のBICボールペンのほうが形などは凝っていますが、こちらは形状がシンプルな分実用的でノックもスムーズです。色も製品に使われている色に近く違和感がありません。また、他社が青と銀という組み合わせが多いので、青(水色)と白色というごくごく一般的な色味ですが目立っています。

ただし、細身のボールペンにかなり大きく社名がプリントされているため、一見なんと書いてあるのか分かりにくくもったいないです。

200903promega.jpg

Promega社のボールペンは金属部分が他社のものより多く高級そうに見えます。ただし、見た目ほどは重さがなく、ゴムのグリップに見える部分はプラスチックで、表面にざらつきはありますがグリップの実用性はなさそうです。プリントされた社名が故意なのか事故なのかは分かりませんがぶれており、そのせいで社名への印象も薄くなってしまっているのが残念です。印刷の出来は思ったより印象に強く訴えかけるようです。

200903proxeon.jpg

Proxeon社のものは他のものとは全く雰囲気が違うので、目を引きます。また、色合いから受ける印象はProxeon社の製品から受ける印象と同じで、統一感があります。ただ、ウェブサイトはイラストを多用しポップな印象があるのに対し、ボールペンのデザインは70年代風です。むしろチープなボールペンのほうが統一感が出そうです。

今回比較したボールペンの中では最もペン先が細く、書きやすいです。

200903shimadzu.jpg

Shimadzu社のボールペンは太身で金属部分が多いのでPromega社と似ています。ただし、ロゴの色にあわせ銀色と赤色でまとめられています。Promega社同様グリップがプラスチックでできています。グリップとしての実用性を持たせるため切り込みを入れているのですが、グリップが効きすぎて却って持ちにくいのが残念です。

関係ないですが、島津氏の家紋をモチーフにしたロゴがかっこいいですね。日本人にしか分かりませんが。

200903thermo.jpg

Thermo Scientific社のボールペンは銀色のメタリックなボディにロゴの朱色が映えています。クリップとノッカーの部分に、同じくロゴに使われている黒色が入っていることで全体的に非常に引き締まった印象です。また、社名のプリント位置が絶妙で、机の上に置いたときにきちんと見える位置にあり、赤いロゴが非常に目立ちます。

Conclusions

今回の比較で気付いたことは、分析機器メーカーのロゴに使用されている色は、青色が多いということです。青色はクールな印象を与えると言われており、HMTも含め、サイエンス分野の会社は青色のロゴにすることが多いのかもしれません。力強さを与えると言われている赤色を使用しているThermo社とShimadzu社も、赤色と同時に黒色も使用することでクールな印象を保っています。

一つ一つを見てみると、それぞれの良さがある各社のボールペンでしたが、多くの企業がボールペンを配布している中で自社の配布品を差別化するには、ABI社のように珍しい機能を持たせたり、思いきって色味を変えるなどの工夫が必要かもしれません。

今回配布されていたボールペンの中ではThermo社のボールペンが、既製品のボールペンを使用し(あくまでも予想ですが)、決して他社よりもコスト面で差があったわけではないにも拘わらず、自社のイメージを保ちつつ、かなり強い印象を与えていたのではないでしょうか。プリントされたロゴが赤色の誘目性の高さを証明した形となりました。

Future Works

今回はWaters社はボールペンの配布をしていなかったため、Waters社のボールペンについては考察できませんでした。今後の課題です。また、HMTもいつかロゴを入れたちょっとユニークな販促品を配布し、皆様にアピールできる日が来ることを願っています。

Acknowledgements
ボールペンを配布してくださった各分析機器メーカーさんと学会でペンを集めてきてくださった菅野社長に感謝します。

以上の考察はあくまでも一個人の感想であり、決して客観的なものではありませんし、ましてや事実や真実ではないことをご了承ください。

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メタボロ太郎なう

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