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ABC's of Metabolomics

大賀拓史の韓国紀行 ~きっかけから~


こんにちは、B&Mの大賀です。韓国メタボロミクス学会への参加記録、今回がラストです。学会参加の目的の一つである「CE-MS解析技術のプロモーション活動」のため、不肖ながらCE-MSメタボロミクスのユーザー代表(?)として口頭発表を行ってきました。

今回、スポンサー企業にはそれぞれ口頭発表の時間が与えられたのですが、その中でもHMTは、一日目真ん中の休憩直前というイイ枠をもらいました。しかも口頭発表の会場は一つしかなかったので、必然的にすべての参加者に向けてアピールできる一大チャンス!ここでCE-MSの魅力を伝えることできずして、おめおめと鶴岡に帰ることなど…という訳で、前日深夜まで独りブツブツと練習し、本番に臨みました。

発表した内容は、先日論文の発表をお知らせした「高脂血症モデルウサギ」のメタボローム解析についてです。日本ではセミナー等で何度かお話ししているテーマですが、今回はこれを英語で伝えなくてはなりません。はじめのうちは単語や微妙なニュアンスに詰まってしまい、冷や汗をかきつつ喋っていたのですが、途中で熱心にスライドを見つめている先生方の顔が見えたので、それからは「とにかくメタボロミクスに対する情熱だけでも伝われ!」という気持ちで通しました。

限られた時間でどの程度を理解してもらえたか不安でしたが、発表後の質疑応答ではHMTのデータベースに関してなどの質問をいただき、またその後の休憩時間でも個別に質問にこられた方もいたので、少なくとも一部の韓国研究者の胸には「CE-MSによるメタボロミクス」に対する興味の種を植えつけることに成功したようです。

後で協力会社のヨンインのスタッフにも意見を聞いたところ、HMTの技術に興味がある研究者は少なくないものの、受託解析という形式やサンプルの輸送など、いまひとつ実施に踏み出せない様子のようです。

今回、韓国と日本の環境の違いが一つの課題として浮かび上がってきましたが、反対に言えば、そこを打ち破るきっかけさえあれば、日本と同様にCE-MSの技術とそのメタボロミクスを普及させられるように感じています。問題は、どうやってそのきっかけを作るか、です。

そういえば、学会当日にメタボロ太郎が『オーラルは韓国語疑惑が俄かに浮上してきました。HMT一のマルチタレント大賀ですが、今から韓国語はむり…』なんてつぶやいてましたが、さすがに全部韓国語は無理なので、「アンニョンハセヨ(こんにちわ)」と「カムサハムニダ(ありがとうございます)」だけ詰め込んで使ってきました。

そのとき教わったのですが、「カムサ」という部分は「感謝」に置き換えられるものなんですね。今まで韓国語には特に興味がなかったのですが、コレを知ってなんだか急に親しみを感じました。う~ん、また実家の母親が撮りためている韓国ドラマ&映画でもみてみようかな、なんて。

ちょっとしたきっかけが私の韓国語に対する興味を広げてくれたように、韓国の研究者に植え付けた「CE-MS メタボロミクス」への興味を、大きく育てられる「きっかけ」を作れるよう、今後も折に触れて彼の国に行き、情報の交流を進めたいと思います。

今は日本の研究者だけが活用しているこの技術、お隣の国で広まるのはそう遠くない未来、かもしれません!

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メタボロ太郎なう

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