上海にて、4月19日~21日に開催された中国で最初のメタボロミクスの学会(写真1)に参加してきました。登録参加者は800人を超えて、活気に満ち溢れた学会となりました。
(写真2,3)日本でのメタボロームシンポジウムの参加者数は、おおよそ350人前後ですから、多くの方が集まっており、非常に驚きました。3年ほど前は、中国でのメタボロミクスは日本の5年遅れかなと感じていましたが、質、量ともに日本に追いついてきていることを実感しました。ポジティブに考えるとHMTの価値(経験、解析結果のコンサル力など)を生かせる市場になったと考えられ、また、ネガティブにみると、競合が激しくなると予測されます。
競合会社のレベルは、まだわからないところがあるのですが、メタボロミクス解析を受託する企業が、4社展示をしていました。2020年6月には同じ上海で2020国際メタボロミクス学会の開催が決まり、中国のメタボロミクスはまさにブームとなっています。
今回は中国Agilentと協調して、展示参加し、(写真4:HMTの現地提携先の営業とのショット)お陰さまで、期待以上のリード獲得ができました。今後も中国Agilentとは様々なコラボを検討してまいります。(写真5:AgilentのWorld Wideのメタボロミクス責任者、中国のMSの責任者との写真です)
中国らしい論点としてはTCM(漢方薬)、糖尿病関連の研究テーマが目に付きました。TCMは産業育成を国家施策として取り組み始めたこともあり、研究予算が回っているようです。また、今回感じたもう一つの視点は、学会での女性の存在感です。発表研究者、参加者は女性が非常に多く、参加者は、半数以上が女性でした。
口頭発表数での大学ランキングでは合計74件中、清華大(4)、复旦大学(4)、北京大(3)、武漢大(3)が目立っていました。メタボロミクスの世界では复旦大学は際立った存在になっているようです。
中国でのメタボロミクス事業は試料の輸送など様々なリスクがあります。ただ、時間をかけた調査の結果、リスクを定義できたこと、市場が巨大になる可能性が大きいこと、中国でのHMTの価値(差別化)も把握できてきたので、本格化に向けた決意を固めることができた学会でした。中国立ち上げに、時間はかかっていますが、楽しみな年になると思います。