こんにちは、HMTの大賀拓史です。こちら鶴岡は、お休みのあいだ良い天気に恵まれていました。
日曜日で大型連休も終わり、今日からはまたバリバリお仕事を、という方もたくさんいらっしゃるでしょうか。一方で、体も心もすっかり「お休みモード」になってしまい、なんだか仕事に戻れない...なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
いくら頭では必要だと分かっていても、いきなり全力でというのは、ちょっとしんどいものです。まずは準備体操がてら、ちょっとした作業で気持ちを切り替えたりするのも良いかもしれませんね。
HMTでは上手い具合に、今日はお仕事の前に、定期の社内清掃がありました。休みボケの頭を回し始めるには、ちょうど良い作業量だったようです。
「作業量」を意味する「load」という単語ですが、実験では「負荷」という表現で使われたりします。ある一定の状態に、外部から刺激やストレス、つまり負荷を与えて、それに対する応答を見る、という実験はよく行われますよね。…
こんにちは。バイオメディカルグループの大橋です。東京は春の陽気だそうですね。
先週に引き続き「代謝プロファイルから示されるサルコシンの前立腺がん進行への関与 (Nature誌)」について、メタボロミクスの研究者として、どのようにこの論文を解釈しているかについての私見を述べてみたいと思います。
前編は[こちら]
みっつめのポイントは、組織メタボロミクスデータからサルコシンという物質への絞込みです。組織のメタボロミクスデータから変化している代謝物質を絞り込む過程は、多くの容疑者から真犯人を割り出すようにスリリングです。
使われている手法も適切ですし、permutationという数値置換群によるテストを行い、妥当性も検討しています。著者らは、まず良性腫瘍 (benign)と悪性腫瘍 (PCA)を比較し、37種のアノテーションの付いた代謝物質を抽出します。ここで、未同定ピークには目もくれないところから、生化学的合理性に主眼を置いていることが読み取れます。…
こんにちは。バイオメディカルグループの大橋です。
2月12日号のNatureに”Metabolomic profiles delineate potential role for sarcosine in prostate cancer progression”という論文が発表されました。論文の内容については[こちら]をご覧ください。
大学院ではよく、「論文は批判的に読め」と指導されます。これは、「人の論文のアラを探せ」という意味ではなく、論文に書かれている研究結果やその解釈について、自分の経験と照らし合わせて本質的なものとそうでないものを区別しろという意味です。そのような意味で、論文の行間を読みながら本質を見抜いていくのは容易でありません。
このNature論文は、いろいろなところで紹介されていますが、強調されている点は様々です。解釈は十人十色だということでしょう。また、多くの人から解釈についていろいろ問われます。これは、この論文がこれまでに有名雑誌で紹介されたメタボロミクス関連論文とは明らかに違う価値があると多くの人が感じていることを示しています。
そこで、メタボロミクスの研究者として、どのようにこの論文を解釈しているかについての私見を述べてみたいと思います。…
こんにちは HMTの大賀拓史です。
今日は「桃の節句」、ひな祭りですね。日本全国の家庭で、あるいは展示場で、たくさんのひな人形が、久しぶりの晴れ舞台に上がっていることでしょう。こちら庄内でも「庄内ひな街道」として、ひな人形の展示イベントが開催されています。
人間よりはるかに長い時間を過ごした昔のものから、ちょっと変わったスタイルのものまで、パンフレットを片手に鑑賞をしていると、自分でも意外なくらいに魅入ってしまうことができました。
こんな私ですが、昔、それこそ周りの女の子がひな人形を飾っていた時分は、人形というものに全く興味がありませんでした。自動車や飛行機といった機械モノの模型は大好きだったのですが、生き物、特にヒトの模型 (というのもおかしな言い方ですが) はむしろ苦手なくらいで。今となってはその理由も良くわかりませんが、とにかく周りの男友達と一緒に、「女はよく分からん」などと言っていたように思います。
成長した後は言わずもがな、男と女の間には幼い頃からも、大きな隔たりがあるのでしょうか?この深大なるテーマに対して、実はあるメタボローム研究が興味深いデータを出しています。…
みなさま、あけましておめでとうございます。HMTの大賀拓史です。
年が明けてからはや2週間。ブログはともかくですが、お仕事の方はサボっていたわけではございません。
先週末は、東京で行われた日本成人病(生活習慣病)学会に参加してきました。発表の内容は糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームから認知症まで、幅広い疾患が対象となっていました。最新の研究結果や診断基準についての報告、また過去の大規模コホートに関しての評価・コメントを聞くことができ、それぞれの疾患分野の現状を理解する上で良い参考になりました。…