バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。いつもは植物とメタボロミクスについてお話していますが、今回からがんとメタボロミクスについてもお話ししていきたいと思います。植物とメタボロミクスについても引き続きお話していきますので、こちらもよろしくお願いします。
がんの研究の世界では、どのようなメカニズムを働かせて正常細胞からがん細胞に変換され、がん細胞が増殖し続けるのかについて明らかにするために、20世紀の終わり頃はがん遺伝子、がん抑制遺伝子を同定する仕事がたくさん行われてきました。その結果、がん化あるいはがんの抑制に関わる遺伝子が多く同定されてきました。…
こんにちは、B&M の大賀です。先週は名古屋で開催された『第61回 日本東洋医学会総会』に参加してきました。
東洋医学、特に漢方については以前から個人的な興味もあったのですが、メタボロミクスが活躍できる分野としての期待も持っています。実際にお隣の国、中国や韓国を中心に、この分野に於けるメタボロミクス研究の成果は増えつつあります[1,2]。
一方、本邦では現在のところ、まだ漢方医療の研究とメタボロミクスが密接には繋がっていないように感じています。そこで、現在の東洋医学にはどういった課題があるのか、またその中でメタボロミクスをどう活用できるか、という点を勉強してきました。…
こんにちは、バイオメディカルグループの篠田です。HMTにとって、バイオマーカー開発は非常に重要な事業の柱です。そこで、情報収集のためにBiomarker World Congress 2010に参加せよとのお達しを受け、はるばる米国・フィラデルフィアまで行って参りました。
会場ははフィラデルフィアの中心部のホテルで、ニューアーク国際空港から、電車で1時間ほど揺られて到着です。成田からはトータル14時間ほどでしょうか。
初日の午前中は、バイオマーカーのアッセイ系構築の、3時間にわたるレクチャー・コースに参加しました。主にタンパク質マーカーをハイスループットにアッセイする話で、高感度の抗体作成はもとより、基準となるreference standardsの妥当性検証の説明に多くの時間が割かれ、ピュアなスタンダードが準備しやすい代謝物質など低分子バイオマーカーの開発上の利点を認識しました。…
こんにちは、バイオメディカルグループの篠田です。私は子育て5年目なのですが、週末も子供と格闘する時間が多く、運動する時間がとれず(言い訳?)体重が増加傾向なのが目下の懸案事項です。もし自分が遺伝的に肥満体質とわかれば、もっと危機感を持つのでしょうが、そんな生まれもっての「肥満遺伝子」はあるのでしょうか?…
こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。今年はお花見には行かれましたか?こちら鶴岡はこの週末が桜の見頃だそうです。お天気の方が少し心配ですが、チャンスがあれば、私もお花見を楽しみたいと思っています。
昨今、さて、桜以外の春の植物、いえば何が思い浮かびますか?ここで「スギ」と答えられた方は...きっと、花粉症に悩まされている方でしょうね。私も近年はそれほどではありませんが、ひどい年にはゴミ箱がティッシュで溢れてしまいます。
花粉症は、体内免疫系の過剰反応によって引き起こされる、アレルギー疾患の一つです。アレルギー反応の主役は、抗原・抗体といったタンパク質や白血球などの細胞ですが、代謝低分子の中にも重要な役割を持つものがあります。…
こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。
こちら鶴岡、今朝は気持ちのいい晴れ空が広がっていました。久しぶりに歩いて通勤して来たのですが、その途中、ふと足元を見ると小さなフキノトウが。自動車に乗っていては、決して見つけられない春の萌し。意外なほどに身近な景色からの嬉しい発見でした。
フキ (蕗: Petasites japonicus) といえば、季節の食材としてお馴染みですが、薬としても昔から用いられています。漢方では咳止めや痰切りに処方されているそうですし、その他にも抗癌・抗炎症作用が報告されています。また、最近では花粉症対策のサプリメントとしても扱われているそうですね。一方、動物モデルの実験では、若い花茎を大量に摂取すると肝腫瘍が形成されることが報告されています(もっとも、灰汁抜き調理したものをほどほどに食べる分には、気にしなくても良いそうですよ)。まさに薬と毒は裏返し、の良い例ですね。…
こんばんにゃ。この瞬間のために、3 分前からモニター前で待機していました。なんでしょうね、撮影を終えた後に感じたあの達成感と虚しさは...バイオメディカルグループの大賀です。
なにはさておき、昨日は2月22日、にゃんこ (猫) の日だったそうですね。
この場で言うまでも無く、ネコは人間にとっての古くからのパートナー。もともとはネズミを捕獲する、穀物の番人として飼われていたそうですが、今では時に、家族の中でお父さんよりも地位が高いこともあるとかないとか。特にネコ派という訳ではない私ですが、それでもたまに動画などでそのかわいさにノックアウトされることがあります。…
バイオメディカルグループの大賀です。
ニュースでご存知の方もいらっしゃるでしょうか?先週末、こちら鶴岡はこの冬一番の大雪でした。私自身も、車の運転中にホワイトアウト (激しい吹雪で視界ゼロになってしまうこと) に遭遇するという恐怖体験をしました。ウワサには聞いていましたが、本当に、数十センチ先を走っている車が見えなくなるのですね...我ながらよく生還できたものです。
しかもその後、自分の中の安全基準が狂ってしまったようです。今日も路上には雪が残っていて十分に危険だったのですが、「あの時に比べれば」なんて思ってついスピードを上げてみたり。鶴岡で初めての冬は雪道を運転する人の気が知れなかったのですが、私もだんだん雪国仕様になってきたのでしょうか?いずれにせよ、安全運転には気を配らなければなりませんが。
ところで、どうやら私たちの『健康の基準』値も人それぞれ、かもしれません。…
HMTの井元淳です。現在はトキシコロジー学会出展のため盛岡に来ています。東京よりは涼しいです。
レポートが随分遅くなってしまったのですが、6月26日に品川イーストワンタワーでセミナー「急激に進化するメタボローム解析の威力」を開催しました。定員を上回る100名弱の皆様に参加いただき、質疑応答も活発に行われ、非常に盛り上がったセミナーとなりました。
HMTが主催してこのように大規模なセミナーを行うのは初めてのことだったので、何かと至らぬ点も多く、ご参加いただいた皆様にはご不便をおかけする点もあったかと思いますが、アンケートではほとんどのお客様に満足したと答えていただき、ほっとしています。
各先生方のお話をざっくりとまとめると、
Chris Beecher教授は、「メタボローム解析は有用だが、メチル化というコンセプトマッピングがなければ、サルコシンには行き着かなかった。多くの情報を集約することでメタボロームデータが活きてくる」
川村則行先生は、「精神疾患を分子的アプローチで解き明かすのは、困難だが可能になってきている。血中のペプチドおよび代謝物質の網羅的比較は、現実としてうつ患者と健常者を正確に分離することができている。精神疾患の分子診断は、すぐそこまで来ている」
鈴村謙一先生は、「機器の扱い方で難しい面もあるが、総合的に判断してCEの網羅性は高い。GCかLCに、CEを付け加えることで、メタボローム研究のアプローチは大幅に補完されるのではないかと感じる」
といった内容でした。
今後もこのようなアプリケーションをご紹介するセミナーを開いていきたいと思っています。今回はご都合がつかなかった皆様も、ぜひ次回ご参加いただけたら幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。…