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ABC's of Metabolomics

寒鱈まつりと酵素活性


こんにちは HMTの大賀拓史です

先週末は鶴岡市の冬祭り「日本海寒鱈(かんだら)まつり」に参加してきました。このお祭りは、日本海で獲れたタラを味噌仕立てのおなべ (どんがら汁) にして、みんなで味わおう!というものだとか。市内の商店街にお店や舞台が出て、楽しい賑わいの中、たくさんの方がお祭りと冬の味覚を楽しんでいました。寒い中でのどんがら汁は野趣あふれる美味しさで、体を芯から温めてくれました。

ところで今回の主役、タラはその美味しさの他に、傷みが早い魚としても有名です。

これは、寒い海に生息するために多量の酵素を生産して低温による酵素活性の低下を補っているから、だと考えられているそうです。実際に異なる温度でタラを飼育すると、同じ温度で比較した時のタンパク合成活性は、低温で育ったタラの方が高くなっていた、という結果が得られています (下記の研究では肝臓や筋組織について調べられています)。ひょっとすると、変温動物である魚たちは寒い中で代謝を動かして生きていくために、私たち以上の苦労をして (つまりエネルギー的コストを使って) いるのかもしれませんね。

いずれにせよ、鱈を美味しく頂くにはぜひ産地で!ということです。

ちなみに、鱈は非常に貪欲な魚としても有名で、解剖すると少なからぬ胃潰瘍の病巣が見つかるそうです。なにかこう、深く考えるといろいろと身につまされるお祭りでした。

[1] Enhanced protein synthetic capacity in Atlantic cod (Gadus morhua) is associated with temperature-induced compensatory growth
Treberg JR, Hall JR, and Driedzic WR. Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol. 2005, 288, 205-211.
[PubMed]

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メタボロ太郎なう

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