研究開発本部の藤森です。「メタボロミクスは何が変わったか?」に続いて、今回はメタボロミクスの進化の契機となった論文についてご紹介します。
前回のブログでは、メタボロミクスは「ただ測って可能性を示唆するだけ」の段階から「新しい生物学的知見を明らかにする段階」まで、学問として進化してきたことに触れました。それでは、その契機となったものは何だったのでしょうか?…
研究開発本部の藤森です。今年度、メタボロミクスのブログを執筆していきますので、よろしくお願いいたします。
メタボロミクスが行われるようになってから、約10年間が経過しました。その間にメタボロミクスは著しい進化を遂げました。それは初期の頃のメタボロミクスの論文と最近の論文を読み比べていただければ、一目瞭然だと思います。今回のブログでは初期の頃と最近のメタボロミクスの比較をご説明します。
従来の研究は、生物のある一つの現象に着目し、これまでの知見を基に仮説を提唱し、それを実験によって証明するという方法がとられてきました。
一方オミクス研究は、仮説を立てずにデータを収集し、得られたデータから新たな知見を抽出するという方法がとられてきました。つまり、仮説の立てにくい研究ではオミクス研究に大きな優位性がありました。…
こんにちは、B&Mの大賀です。昨日はひな祭り。女の子がいるご家庭は賑やかだったのではないでしょうか?雛壇がない我が家も、雰囲気だけということで、甘酒を楽しませていただきました。
まだ肌寒いこの季節に体を温めてくれる甘酒は、アルコールの代わりにたっぷりの栄養素を含んでいます。ブドウ糖、アミノ酸やビタミンBなど、点滴に使われる栄養剤と似た成分が豊富なことから、「飲む点滴」とも言われています。近年では「ジャパニーズヨーグルト」として海外でも消費され、日本が誇る健康食品の一つとして認知されているそうです。…
こんにちは、B&Mの大賀です。気づけばもう2月。実に一月ぶりの更新となってしまいました。
ここ最近は、雪に埋もれて冬眠を...ということは勿論なく、研究に、受託解析のレベルアップに、と相変わらずバタバタしておりました。
前回お知らせした「生活習慣モデル動物のメタボローム解析」に関する研究論文のオンライン版が入手できるようになりました(論文の詳細はHMTウェブサイトでご紹介しています)。年度末を控えて受託解析を検討中の皆様には、ぜひ一度ご覧いただき、メタボローム解析から得られる結果の参考としてご活用いただければ嬉しいです。…
こんにちは、B&Mの大賀です。今年も残すところ僅かとなりましたね。一年を締めくくる準備は整ったでしょうか?秋から始めた、食に関するメタボロミクスの研究紹介ですが、こちらも今回で締めくくりにしたいと思います。最後のテーマは、この季節、特にお付き合いが増えた方もいらっしゃるのでは?「お酒」に関する最近の研究成果です。…
こんにちは、B&Mの大賀です。食に関するメタボロミクスの第4回目です。今回は、日本人には特に欠かせない食べ物、古くからのノウハウが生み出す醗酵食品に関する最近の研究成果をご紹介します。
1つ目にご紹介するのは、Yoshidaらが報告した日本国内で販売されている様々な味噌のメタボローム解析です。…
こんにちは、バイオメディカルグループの篠田です。
背の大きなお父さん/お母さんから背の大きな子供が生まれる、というのはなんとなく日常感覚と合っている気もしますが、人間の背の高さを決める遺伝子というのは、未だに見つかっておらず、「missing heritability」(消えた遺伝率)と呼ばれるミステリーの1つです。背の高い人と背の低い人で明確に異なる遺伝子というのは、果たしてあるのでしょうか?…
こんにちは、B&Mの大賀です。先週のNASAからのニュースは、リンの代わりにヒ素を使って生育する細菌の発見でしたね。宇宙人の登場を期待していた人(?)からは「がっかり」という声もあるそうですが、いやいや十分スゴイ発見ではないかと。
特にDNA鎖にも取り込まれている可能性があるということで、その場合はらせん構造の安定性や複製に関わる酵素の反応機構など、今後の発見も興味深いところです。
そしてやはり、低分子の代謝にも何か特別な酵素やメカニズムが働いているのでしょうか…う~む、NASAから解析依頼が来ないかな?とにもかくにも、まだまだ私たちが知らない代謝を持った細菌が数多く存在することを改めて認識させられました。…
こんにちは、B&Mの大賀です。先月まで「いまアツいメタボローム解析とは?」として代謝フラックス解析を取り上げてきましたが、今月からはタイトルを「いまクールなメタボローム解析とは?」に切り替えて、引き続きお届けして参ります。
さて、日本人にとって「秋」で思いつく単語といえば、やはり第1位は「食」なのだとか(gooランキング 他)。秋も深まったこの時節、我々の本能を支配する「食」へのメタボロミクスの取り組みに注目していきたいと思います。…
こんにちは、B&Mの大賀です。木枯らしが吹く季節になりましたね。こちら鶴岡もここ数日は風が強く、冬が目の前に迫ったことを思い出させてくれます。
さて、2ヶ月にわたって最近のフラクソミクス研究を取り上げてきたこのシリーズも今回がラスト。最後に注目したいのは、ごく最近に発表された酵母育種に関する報告です。この研究では、代謝フラックス解析にメタボロミクス、そしてトランスクリプトミクスのデータも加えたマルチオミクスの試みがなされています。…