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ABC's of Metabolomics

うらやましい能力


こんにちは、B&Mの大賀です。今日は鶴岡、朝から雨が降っています。積もった雪が溶けるのは嬉しい限りですが、この季節の雨は冷たいの何の。思わず家に閉じこもって「冬ごもり」したくなります。

そういえば、冬眠に関して興味深い報告がありました。

クマの冬眠は超省エネ、代謝活動4分の1に 米大チーム(日本経済新聞)

小さな動物の冬眠は、代謝が制限されるのと同時に体温も大幅に低下しますが、大型動物は、体温の低下が数℃以内で、むしろ睡眠に近い状態にあるそうです。ところが呼吸量や心拍数は大幅に下がっていたそうで、しかも冬ごもりから覚めた後も、しばらくその状態が継続されていたとか。

人間でも、遭難者が低体温の仮死状態で生き延びた、という話はありますが、これはいわば緊急時のシャットオフ。クマの穴ごもりの方は、安全な復帰が保証されたスリープモード、といったところでしょうか。

しかし、体温を維持しているわけですから何処かしらでエネルギーを産生する代謝が働いているはずですよね。呼吸や心拍数が低下する、筋肉の消耗がないそうなので、嫌気的なエネルギー代謝が亢進しているのでしょうか?う~ん、これはぜひ、メタボロームを見てみたいところですね。

ところで、人間でも昔から極地方に定住している集団があるわけですし、暖房が無かった古代に、こういった代謝能は発達しなかったのでしょうか?

ひょっとすると生活環境の変化とともに使わなくなっただけで、何かのきっかけに潜在していた能力が発揮されたりしないものかと。そうすれば、、、この季節は寝て暮らせるかなぁ、と!

ちなみに、研究チームでは今回の成果を疾患治療薬や、宇宙開発に応用することを提言しているそうです。何というか発想が、、、自分の怠惰ぶりを再確認できたような気がしました。

[1] Øivind Tøien, John Blake, Dale M. Edgar, Dennis A. Grahn3, H. Craig Heller, and Brian M. Barne , Hibernation in Black Bears: Independence of Metabolic Suppression from Body Temperature , Science 331(6019) 906-909 , 2011
PubMed

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メタボロ太郎なう

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