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ABC's of Metabolomics

代謝の理解には物理生物学も必要


ほんとに、春ですねぇ…

今日はこちら鶴岡、雲一つない晴れ空です。こんな気持ちが良い日は何も考えずにボーっとしていたい!バイオメディカルグループの大賀です。いえいえ、お仕事はちゃんとしていますが…

しかし、思えば人間とは悲しいもの。何もせずにボーっと(じっと)していてもお腹がすきます。この「生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動に必要とするエネルギー量」のことを基礎代謝と言うのですが、これに関して、かなり個人的な理由で、興味深い論文が先週のNatureに掲載されていました(Curvature in metabolic scaling)。

1930年代、Max Kleibe博士によって「動物では種を問わず、基礎代謝量が体重の3/4乗に比例する」ことが提唱され、長年有力な説となっています(ちなみに博士のオリジナルデータを Wikipedia で見ることが出来るのですが、その「美しい」グラフはちょっとした感動モノです)。しかし、時代を経てデータが増えるにつれ、また「3/4」に隠された意味の考察が深まるにつれ、基礎代謝量の計算をもっと正確にするための変数や式変形が追求されてきました。

今回の研究では、基礎代謝量と体重を対数関係にして、また体温に関するパラメータなどの追加を行うことで、より正確な式にリファインできたそうです。また、その式で生物(現システムに基づいた動物)の「限界サイズ」が算出されているのですが、それがちょうど、クジラのサイズに一致するのだとか。

正直なところ、数式が苦手な私はまだ中身を解読中で、正確に理解できていない部分も多々あるのですが、「ネズミからクジラまで共通した一つの式で表現できるシステムがある」ということにはかなり衝撃を受けています。

実は、学生時代に読んだ『ゾウの時間 ネズミの時間』という本にはそのことが書かれていたのですが、あの時は「へぇ」という位にしか思いませんでした。生物に関する知識が増えて、また「代謝」というシステムとしての生命を見るようになって、ようやく一つの現象の重大さを理解できたように思います。

うすうす感じてはいたのですが、代謝、ひいては生命を理解するためには、物理生物学といわれる分野もちゃんと勉強しないとな~、と痛感しました。今更ですが、高校の数学の教科書を開いて微分・積分からやり直しますか…

もし『簡単に』説明していただける奇特な方がいらっしゃいましたら、ぜひ大賀にご連絡ください。ご連絡お待ちしております。

[1] Kolokotrones T, Van Savage, Deeds EJ, Fontana W.
Curvature in metabolic scaling.
Nature. 464(7289) 753-6, 2010
PubMed

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メタボロ太郎なう

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