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ABC's of Metabolomics

Metabolomics 2011 社長レポート-Metabolomics2011に参加して


こんにちはHMT社長の菅野です。今年もメタボロミクス国際会議 Metabolomics2011に参加してきました。発表の傾向についてはメタボロミクスインサイトをご覧ください。

今年は日本での開催予定が、東日本大震災の影響で急遽オーストラリアに変更になりましたが、参加者の多くは「メタボロームキャンパスのある鶴岡に行ってみたかった」「(鶴岡での開催が公式に発表された)2014年には絶対に行くよ」と言ってくれていました。

開催地の変更という大きな困難はありましたが、例年通り大成功の国際会議だったと思います。今回は、私の視点から見たMetabolomics2011をまとめてみました。

CE-MSへの注目の高まり

第1回、鶴岡での開催時には日本の特殊な技術と捉えられていたCE-MSですが、7年の歳月を経てようやく認知され、導入しようという機運が高まってきたと感じました。慶應義塾大学先端生命科学研究所冨田所長による学会オープニングの基調講演でのド迫力のムービーを駆使したCE-MSの見せ方は圧巻でした。特に、ムービーの最初に映し出されたずらりと並んだCE-TOF MSには誰もが釘付けになっていました。さらに追い打ちをかけるようにCE-MSを用いた研究が慶應、理研から次々と発表され、その技術が本物であると感じてもらえたと思います。また、オランダメタボロミクスセンター長のハンケマイヤー教授のプレゼンの冒頭でもCE-MSの成果報告があり、日本だけではなく世界に広がりを見せていることが証明され、CE-MSを認めざるを得ないイベントとなったと思います。

民間企業からの参加者の伸び悩み

日本のメタボロミクス学会では製薬、食品、化学分野などから民間企業が多く参加していますが、今回の国際学会では民間からの参加はほとんどありませんでした。アジア・太平洋地域におけるメタボロミクスは大学や公的機関の研究所に普及してきたレベルであり、まだまだこれからの市場である印象です。ポジティブに考えれば、すでに日本や欧米で多くのアプリケーションが開発されているので、それらを採り入れて民間へは一気に普及するかもしれません。

バイオメディカルへの応用の再興

今年は健常と疾患のメタボローム解析についての発表がたくさんありました。昨年までは結果はPCAやヒートマップなどで、健常と疾患の差を論じるものでしたが、今年はパスウエイを用いた考察も増えてきました。Baker IDI Heart & Diabetes Institute (Australia) の糖尿病のバイオマーカ探索研究は実験デザイン、結果ともにすばらしかったです。HMTのうつ病マーカーの発表も多くの研究者の期待に十分応えられる内容で、極めて質の高い発表であったと思います。

今回の国際会議では世界でのCE-MSへの期待・注目の高まりを感じることができました。HMTの社長として、まだ世界であまり普及していないCE-MS技術を使った解析サービスを日本で提供していることで世界に先駆けた大きな成果に貢献していると確信し、誇りに思っています。一方で、今後1,2年で海外での普及が進むと思われるので、追い越されないようますます技術を磨く必要性を感じています。

鶴岡で国際会議が開催される2014年に多くのメタボローム研究者が鶴岡を訪れる時までにCE-MSを一気に世界に普及させて、CE-MSメタボロミクスに特化したセッションができれば素晴らしいと目論んでいます。皆様にもぜひこのセッションで発表していただけるよう、研究のお手伝いをしていきたいと考えていますので今後ともよろしくお願いいたします。

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メタボロ太郎なう

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