大橋由明のオーストラリア紀行の最終回です。講演は無事?終えたし、お土産も買ったし、いよいよオーストラリアを離れる時が来ました。大好きなヨーロッパに文化が似ているせいか、名残惜しい感じがします。来るまではオーストラリアに殺伐としたイメージを持っていましたが、今はそんなことはありません。
帰路はシドニー経由で成田までもどります。メルボルン空港でカンタス航空のチェックインカウンターの係員から、「荷物は東京でピックアップできます。ただしシドニー空港での国際線への乗り換えは複雑で、時間もかかります。バスに乗って移動しなければなりません。ユ
ーにはわかりますか?」とのこと。私が乗り換え時の手荷物の方をしきりに気にしていたからなのですが、「おお、問題は荷物ではなく、マイ・オウン・バディーですね?」と聞いたら、厳しそうな表情が緩んで、ニコニコと乗り換え方を教えてくれました。…
大橋由明のオーストラリア紀行の第8回です。帰国当日は夕方6時発シドニー行きだったので、朝から午後まで少々時間ができましたのでメルボルンの街を散策しました。
ホテルをチェックアウトして荷物を預け、メルボルンの町を50分ほどで一周するシティ・サークルという無料のトラムに乗ることにしました。無料ですよ、無料。日本では考えられないことです。ヨーロッパでもトラムが無料のところが結構ありますが、どうして日本では実現できないのでしょうか?お年寄りのための循環バスとかも、100 円とかとるから利用者が全然増えないんですよ。一日何回乗っても気にならない値段、せめて一回10円になりませんか?…
少し間が空いてしまいましたが、大橋由明のオーストラリア紀行の第7回です。今回はオーストラリアンは負けず嫌いだなあと思った出来事のお話です。
実はオーストラリアはカフェで非常においしいコーヒーが飲めるところなのです。
ムスタファさんいわく、イタリア移民が多いためヨーロッパ流の本格コーヒーをカフェで出すようになったからなのだそうです。さすがイタリア系、ラテンの血が妥協を許さないのですね。大橋のお気に入りは「ロングブラック」。いわゆるエスプレッソのダブルです。
メルボルン大学食堂のコーヒーショップで、ムスタファさんと「スターバックスが日本では増えていて、すっかりアメリカ流のコーヒー文化になったよ」と話していたら、レジのおばちゃんが「そうそう。アメリカのコーヒーはマズいわよねー。スタバなんてダメよー」と話に入ってきました。
オーストラリアの人々は、アメリカをすごく意識しているようで、ムスタファさんもスターバックスなんてうまくないよとしきりに言います。
そこで大橋はこれを逆手に取って、「CE-MS はアメリカではあまり使われていないんですよ。だから今がアメリカを出し抜くチャンスで
すよ」と力説したところ、ウテ先生も「アメリカが使っていないのはチャンスよねー!」と納得のご様子。隣に座っているトニー所長に潤んだ瞳で「ねえねえ、ケイオーダイガクには50 台もCE-MS があるんですってー。見てよーこの写真!このチムニーが全部CE-MSよー。ウチにも何台か欲しいワー。買ってもいいでしょー♡?」とおねだりしていました。ウテ先生、その調子。是非導入して、みんなでCE-MS を盛り上げましょう。
オーストラリアンの負けず嫌いは愛国心だけでなく地元を愛する心にも表れているようです。シドニー(ニューサウスウェールズ州)とメルボルン(ビクトリア州)はオーストラリアを代表する二大都市で、人口も400 万人超とほとんど拮抗しており、まさにライバルといった関係に見えます。
両都市を短期間にハシゴした印象は、シドニーは落ち着いた古くからの雰囲気を残す町、メルボルンは新しいものを吸収しておしゃれに発展している町という感じです。どちらも海に近く、海産物も新鮮なものが市場に並んでおり、基本的には大きな違いは感じられません。
ところが、かつてこの二大都市は首都機能を巡ってかなり険悪な争いまでしたことがあるという驚きの歴史を、ムスタファさんから知らされました。へー、そうだったんだ!と思った瞬間、ちょっと待てよ。オーストラリアの首都はキャンベラではなかったかね?
ムスタファさんに尋ねると、おかしそうに笑いながら、「決着がつかなかったから、両都市の間にあるキャンベラに首都を置いたんだよ。だったら最初っからケンカしなきゃいいのに!」と言っていました。
移民の国、原住民アボリジニとの確執、イギリスの支配と複雑な事情をお持ちのオーストラリアですが、様々なゴタゴタを乗り越えて今の発展を築き上げてきたことがよくわかるエピソードですね。
そういえば、大橋のつたない英語でも、一生懸命聞いてくれる人が多いように感じます。やはり移民の国、みんなで助け合いの精神なのでしょう。
トラムで向かいの席に座った老夫婦も、「船でタスマニアに行ってきたのよ。楽しかったわー。あなた、これから東京に帰るのは大変ねえ。4日間しかいなかったんですって?日本人は働き過ぎなのよー」と、ゆっくりと話して会話も盛り上げてくれます。
日本では日本語でコミュニケーションできるにもかかわらず、外で他人と話す機会はほとんどありませんが、海外では一人なのにみんなとよく話す機会があって、なんだか複雑な気持ちです。なお、このご婦人は、「タスマニア島は本当に小さな島でねー」とおっしゃっていました。マダム!一度日本をご訪問ください。びっくりしますよ。
…
大橋由明のオーストラリア紀行の第3回です。今回はシドニー工科大学で講演を行ったお話です。
当日はアジレントテクノロジーのビジェイさんが朝8時にホテルのロビーで出迎えてくれました。メキシコ風?の立派なヒゲが素敵な方で、とにかく紳士。とても親切で、「ドクター・オーハシサン!荷物が重いだろう。オレが持つよ」とか、「ドクター・オーハシサン、コーヒー飲みたいだろう。持ってくるよ」とか、本当に恐縮してしまいましたが、「恐縮です」を英語でどう表現するのかわからず、サンキューを連発するしかありません。
ワークショップの会場は意外にこじんまりした教室で、40人くらいでいっぱいになる感じです。でも最終的には席は全部埋まっていたので、飛び入り参加の人も多かったのかもしれません。
シドニー工科大学(UTS)はまさにダウンタウンにキャンパスがあり、とにかく高層ビルがたくさん立っています。オーストラリアで一、二を争う世界的に知られた優秀な大学です。大橋はここで午前と午後一回ずつ45分間の講演を行いました。…
今回は大橋由明のオーストラリア紀行の第2回です。とはいえまだ日本国内、成田でのお話です。
誠にもってお恥ずかしい話なのですが、いきなり成田のカンタス航空カウンターでトラブル発生です。
「大橋様、オーストラリアへの入国には全員ビザが必要です」…