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その他

メルボルンでオーストラリアの負の歴史を学ぶ話


大橋由明のオーストラリア紀行の第8回です。帰国当日は夕方6時発シドニー行きだったので、朝から午後まで少々時間ができましたのでメルボルンの街を散策しました。

ホテルをチェックアウトして荷物を預け、メルボルンの町を50分ほどで一周するシティ・サークルという無料のトラムに乗ることにしました。無料ですよ、無料。日本では考えられないことです。ヨーロッパでもトラムが無料のところが結構ありますが、どうして日本では実現できないのでしょうか?お年寄りのための循環バスとかも、100 円とかとるから利用者が全然増えないんですよ。一日何回乗っても気にならない値段、せめて一回10円になりませんか?

日本製品が海外に浸透する速度は特筆すべきものがあります。オーストリアでもやはり人気は日本車で、ほぼ7割がた日本車です(ある交差点で数分間調べただけなので、誤差は相当大きいと思われますが)。電気製品はフィリップスもがんばっていますが、やはりほとんど日本製です。これだけ日本の製品が海外に出ているということは高度経済成長のときから言われていますが、すばらしいことです。

なのに、日本は国内のことになると全く世界から遅れを取ってしまっています。効率が悪すぎます。バスの一件もそうですが、要するに行政の効率が悪い。慎重なのではなくて、効率が悪いのです。日本の経済は一流、科学も一流、政治は三流と言われますが、本当にその通りです。ついでに日本の小言になってしまいましたが、海外に行くと、行った国のことだけでなく、日本の良いところ、悪いところも見えてきますよね。

さて、せっかくだから博物館かなにか見ていくかと思って「地球の歩き方」を見ると、「旧メルボルン監獄」という文字が。これは見に行かなくちゃ。

監獄の中は3階建てで、各階にセルと呼ばれる独房が並んでいます。絞首刑場も内部にあって、リアルです。この監獄は、ネッド・ケリーの処刑で有名で、オーストラリアがまだ囚人流刑地としての様子を色濃く残していた時代、盗賊ではありますが勇敢に不当な権力者に立ち向かったネッドが収監され、市民の反対を押し切って処刑されたところです。ロビン・フッドか鼠小僧か、いやはやアルセーヌ・ルパンか?世界各地に伝わる義賊の典型と言えそうです。

これも今のオーストラリアからは想像できませんが、このような歴史建造物が残され(しかも近代的なメルボルン工科大学とほとんどくっついている)、多くの市民が訪れている事実を知ることができました。

名残惜しいですが、いよいよ次回は帰国です。

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メタボロ太郎なう

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