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ABC's of Metabolomics

メタボロミクスの世界標準


こんにちは HMTの大賀です

Metabolomics 2008のレポートが届いていますね。私自身は残念ながら参加していないのですが、内容を伝え聞くだけでも勉強になります。

ところで、Metabolomics 2008を主催している Metabolomics Society は、メタボローム分野における主要コミュニティの一つですが、その目標の一つに、メタボロミクスの「世界標準」を決める、ということがあるそうです。


マイクロアレイなどでは、世界中の測定結果が集約されるデータベースがすでに用意されていて、とある研究で得られた測定結果に対して、多くの研究者が自由にアクセスできる状況が作られています。メタボロミクスでも同じような状況が整えば良いなぁ、とは誰もが思うところではないでしょうか。

しかしながら、世界のあちこちで日々進歩しつつある技術の基準を決めよう! というのは、ちょっと想像しただけでも大変そうです。実際、Metabolomics Society のプロジェクトでも過去に会合が開かれていますが、公表された内容からは、達成までの道のりの遠さをまざまざと感じさせられます。

サンプルの調製方法や測定プラットフォームの違い、それから単語の統一などと例を挙げればキリがありませんが、確かにいずれも、日ごろ我々自身が頭を悩ませている部分でもあり、やはりなぁ、と改めて納得してしまいました。

今すぐ全てを、ということは現実的ではありませんが、やがて来る (であろう?) 世界中の研究者がメタボロミクスの恩恵に与る時代、というものを頭のスミに描きつつ実験を考えなくてはなぁ、などと大それた妄想にふける今日この頃です。

[1] Establishing Reporting Standards for Metabolomic and Metabonomic Studies. A Call for Participation
Fiehn O, Kristal B, v Ommen B, Sumner LW, Sansone SA, Taylor C, Hardy N, Kaddurah-Daouk R OMICS 2006, 10, 158-163
[PubMed]

[2] Metabolomics standards workshop and the development of international standards for reporting metabolomics experimental results
Castle LA, Fiehn O, Kaddurah-Daouk R, Lindon JC Brief. Bioinformatics 2006, 7, 159-165
[PubMed]

興味がある方は是非こちらもご覧になってください
Metabolomics Standard Project

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メタボロ太郎なう

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