お久しぶりです、HMTの井元淳です。相変わらず東京は暑いですね。
今年もHMTこども科学実験教室を開催しました。去年の反省を生かし、今年は早くから実施計画を立て始め、募集期間を1カ月近くとることができたので、募集定員の30名を超える方にお申込みいただきました!
実験は、シリンジを二つ繋げて水圧装置を作り、水圧を利用して荷台を上げ下げすることができるクレーンを組み立て、「パスカルの原理」を学ぶというものです。今年も社員がボランティアスタッフとして実験のお手伝いをしました。3回目ともなると、だいぶん慣れてきました。
クレーンはパスカルの原理を利用して、小さな力で大きなものを持ち上げています(実際にはパスカルの原理だけではありませんが)。パスカルの原理とは「一定の容器内部に非圧縮性流体を満たしてある面に圧力をかけたとき、重力の影響が無ければ、つまり液面から同じ深さの地点同士ならばそれらの点には等しい圧力が加わるという原理(wikipediaより)」です。つまり、密閉したU字型の空間の中に水を入れておいて、片方を押し下げるともう一方が同じ力で押し上げられる現象のことです。大切なのは、押し上げられるほうの面積を押し下げるほうの面積の5倍にすると、5倍のものを押し上げられるようになります。1kgの力で5kgのものが押し上げられます。(説明が間違っていたらすみません。あまり信じすぎないでください)
この「パスカルの原理」を学ぶため、実際にクレーンを組み立てました。そもそも「パスカルの原理」も難しいのですが、クレーンの組み立てもとても難しい実験でした。大人でもテキストを読んだだけではどんなふうに組み立てていいのかぱっと分からないくらいです。
開始前は「こんなに難しくて組み立てられるのかな」「楽しんでもらえるのかな」と不安でしたが、そんな心配はまったく必要ありませんでした。難しい工程も、HMTのスタッフや隣で見ている保護者の方が少し教えてあげると、すぐに分かって組み立ててくれました。
「クレーン」を組み立てるとは言うものの、当然ながら出来上がったクレーンで自分が持ち上げられないような重いものを持ち上げられる、というほどのものではありません。実験キットに付属の小石を持ち上げるのでは、「手で持てばいいんじゃないの?」と、ゴールとして満足してもらえるかどうかも不安な点でした。ですが出来上がったクレーンで小石を上げ下げし、「岩をかっこよく持ち上げてる!」と言って喜んでくれて、こちらまで嬉しくなりました。
実験キットでは同じ大きさのシリンジを使ってクレーンを作ったので、「小さな力で大きな力を生む」感覚を感じてもらおうと、HMTで独自に細いシリンジと太いシリンジをつないだ水圧装置を作ってみました。細いシリンジのほうが、面積の広い太いシリンジを小さな力で押すことができます。保護者の方に太いシリンジ、子供さんに細いシリンジを持ってもらい、両方から押してもらうと、大人でも子供の力に勝てません。友達同士や自分一人でも押してもらって、パスカルの原理を肌で感じてもらうことができたと思います。
今年もみなさんに楽しんでいただき、無事終了することができました。参加してくださった皆さん、ありがとうございました!当日参加できなかった保護者の方からは「自宅で子供がクレーンを動かしながら一生懸命説明してくれたのがとても嬉しかった」という声もいただき、大成功だったと思います。
来年もまた企画します。皆さんの参加をお待ちしております!