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夏のたのしみ ― ビールのメタボロミクス

こんにちは、HMT の大賀です。なんだかご無沙汰しておりました。

こちら鶴岡では、庄内名物の「だだちゃまめ」が美味しい季節になりました。見た目は普通の枝豆なのですが、一口食べるとその濃厚な味わいにびっくりですよ。お取り寄せで味わうことも出来るようですが、できれば現地で夏の景色と一緒に楽しんでいただきたいものです。

さて、枝豆といえばそのパートナーは、やっぱりビールでしょうか。いやぁ、ビールが美味しい季節になりましたね。

ご存知の方も多いかと思いますが、ビールは酵母の醗酵、つまり代謝によって生み出される飲み物です。原料のでんぷんが分解されて小さな糖が作られると、酵母はそこから化学的なエネルギーを取り出すための代謝を動かします。

その際に、酵母にとっての副産物としてエタノールが作られるのですが、人間にしてみればこれこそが大いなる恵み。ビールが発見されたのは古代エジプトという説があるそうですが、その時代の人達にはそんな原理なんて分かってなかったでしょうね。醗酵食品の多くに当てはまるのことなのですが、初めてビールを口にしたチャレンジャーは、本当に偉大です。…

シロイヌナズナと統合オミクス

今年入社した分析グループの藤森玉輝です。

博士研究員の時は、DNAマイクロアレイやアジレント社のCE-MSを使って植物の一次代謝の研究をしていました。植物のメタボロミクスの研究成果は、生産性の高い農作物の作製、薬学的に有用な物質の生産、環境浄化など非常に重要かつ多様な分野に生かすことができる可能性を秘めており、大変興味深いです。

これからは植物の代謝物に関する様々な研究を紹介していく予定にしていますのでよろしくお願いします。

生命現象を理解するためにはメタボロミクスが重要であることは当然ですが、さらにトランスクリプトミクスと組み合わせることで、理解をより深めることができます。

しかしながら、統合オミクスの力を最大限に発揮した研究例はまだ少なく、現状ではトランスクリプトミクスとメタボロミクスをして考察する論文が標準的です。これは、統合オミクスを駆使してエレガントな研究を行う方法がまだ確立されていないからです。

統合オミクスの研究方法については今後も考え続けていかなければいけませんが、まず統合オミクスとして成功した論文を読んで学ぶのが誰にでもできる一番簡単な道です。そこで、今回は4年前の論文になりますが、理化学研究所植物センターのグループがモデル植物であるシロイヌナズナで統合オミクスをエレガントに使った研究を紹介したいと思います。…

第2回HMTこども科学実験教室を開催しました

HMTの井元淳です。先週末鶴岡はどんよりとした曇り空でしたが、帰り道飛行機に乗って上から見た雲は真っ白で本当にきれいでした。見る角度が違うと同じものでも全然違って感じますね。

去年に引き続き、第2回HMTこども科学実験教室を7月25日に行いました。告知から実施まで10日しかなかったので、参加してくださる方がいらっしゃるか心配していましたが、無事20名のお子さんに参加していただけました。

実験は、地球から遠く離れたメタボロム星から持ち帰られた”オーブレック”の不思議な性質を観察し、オーブレックの海に着陸できるような宇宙船を考えてみよう、というものです。今年も社員有志がボランティアスタッフとしてサポートを行いました。…

[第2回メタボロミクスと統計解析] メタボロームデータと多変量解析

バイオメディカルグループ(統計解析)の山本博之です。

細胞内での現象はほとんどの場合、1つの代謝物質によって説明されることはなく、複数の代謝物質とそのネットワークによって説明されます。よって、複数の変数(代謝物質)を使ってデータを表現する多変量解析がその道具として用いられるのは、比較的自然なことだと思います。メタボローム解析では特に主成分分析が用いられる事が多く、論文等でその計算結果を目にされたことのある方も多いと思います。

オミクスデータのような高次元データは視覚的に人が理解できないので、何らかの形で視覚化することが有効です。主成分分析は高次元データを1次元に射影し、その上での分散が最大になるような射影方向をいくつか求め、それらの軸を用いて視覚化します。1次元上での分散が大きな主成分軸は、一般的にデータを良く表現する軸であるとしばしば説明されます。しかしこれは少し説明不足です。…

第36回日本トキシコロジー学会学術年会に出展しました

HMTの井元淳です。今日は風が強いですね。

トキシコロジー学会 HMT ブース

7月6日~8日の3日間岩手県盛岡市で第36回日本トキシコロジー学会学術年会が開催され、HMTも出展しました。年会が行われた盛岡市の「アイーナ」は3階から8階まで吹き抜けの非常にモダンな建物でした。鶴岡市にある慶應義塾大学にある致道ライブラリもそうですが、アイーナにも図書館などその他の施設が入っているので、市民の方が気軽に利用されていました。このように市民の方が気軽に利用する図書館やホールなどの複合施設で専門的な学会を行うことで、市民の方が「そういうのやってるんだなー」と少しだけ触れることができるのはいいことですね。

今年は研究員の佐藤がメタボロミクスを毒性研究に応用した結果をポスター発表しており、コアタイムだけでなく、佐藤の研究を聞きたいとブースに来てくださる方がたくさんいらっしゃいました。「メタボロミクスが具体的にどのように応用できるのか?」を発信していくことが重要であると感じました。

ブースにお立ち寄りくださった皆様ありがとうございました。…

第8回国際バイオEXPOに出展しました

HMTの井元淳です。今日は蒸し暑いですね。

7月1日~3日の3日間東京ビッグサイトで第8回バイオEXPOが開催され、HMTも出展しました。今回は初めて自社でブース装飾を行い、壁面を斜めに前に出すことで通路を通る人にポスターを見ていただきやすいようデザインしてみました。その甲斐があってか、これまでになくたくさんの人にブースを訪れていただくことができました。

バイオEXPO全体としては、今年はこれまでで最多の出展社数だったそうなのですが、巨大ブースに派手な装飾を施している出展社は少なかったようにおもいます。会期が終われば壊してしまう物なので派手にすることだけがいいとは言えないのですが、やはり派手なブースがあると、展示会が華やぎますよね。バイオ関係に限らず、どの展示会も今年の初めから来場者数がどんどん減っているのですが、バイオEXPOは過去最大の来場者数だったそうです。

これまで展示会では「メタボローム解析とはなんぞや?」というところから説明することが多かったのですが、今回は「『メタボローム解析に興味がある』とおっしゃってくださるお客様にHMTのサービスを説明する」ことがほとんどでした。すでにユーザーのお客様にも多数お立ち寄りくださり、メタボロミクスの広がりを感じることができました。

ブースにお立ち寄りくださった皆様ありがとうございました。8月末までにご注文いただいた方にはブース来場特典をお付けしておりますので、ぜひご活用ください。…

Beecher教授の来鶴

こんにちは、社長の菅野です。Natureに“前立腺がんのバイオマーカとしてのサルコシンの発見”発表したミシガン大学のChris Beecher教授と6月22日から26日まで1週間を共にし、メタボロミクスの将来について、大いに、またフランクに語りあうことができました。

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多忙なスケジュールの合間に鶴岡市郊外にある出羽三山の一つの羽黒山にお参りにいってきました。そこで、我々が祈願したのは絵馬にあるように私はメタボロームビジネスの成功、Chrisさんはメタボロームの社会貢献です。さすがChrisさんはスケールが違いますね。

今回のChrisさんの日本訪問を通して感じたことは、メタボロミクスが解析技術(プラットフォーム)の議論は終焉を迎えつつあり、多くの研究者が成果を出せるような仕組み(解析装置の充実、受託の低価格化)ができてきたことです。別の言い方をすれば、メタボロミクスをバイオ研究の中にいかに早く導入出来たかが研究成果のスピードに大きく関わってくる時代になったということです。

なぜならば、メタボロミクスを導入している研究者はその前にある、他のOMICS情報は何らかの形で経験があるからです。生命現象の解明に統合OMICSは必須ですが、メタボロミクスを見ずに何かを語る努力をするよりも、メタボミクス情報を上手く活用することが研究のブレークスルーになるとおもわれるからです。数年前までは、プラットフォームの構築に時間と資金が取られて、余程のパワーを投入しないとメタボロミクスを利用することができませんでした。この点はChrisさんも同感で、話が盛り上がりました。

Chrisさんの鶴岡滞在では、もちろん、鶴岡の名物レストランのアルケッチァーノにも一緒に行き、メタボロームとともに、コストパーフォーマンス世界No.1と私が確信しているイタリアンを堪能してもらいました。

今年のバイオ市況をみていると、今年、メタボロームパンデミックが起こる気配を感じているのは、私ひとりではないと思います。皆様いかがでしょうか?…

【研究者インタビュー】先端生命科学研究所伊東卓朗研究員

先端生命科学研究所でオイル産生微細藻プロジェクトを推進している伊藤卓朗研究員にお話をお聞きしました。伊藤さんの専門は植物メタボロミクスで、2006年から鶴岡メタボロームキャンパスでCE-TOFMSとLC-TOFMSを使ってオイル産生微細藻の研究をされています。今回は伊藤研究員の研究テーマであるエネルギー問題への藻類の利用についてうかがいました。

HMT主催セミナー「急激に進化する メタボローム 解析の威力」を 開催しました

HMTの井元淳です。現在はトキシコロジー学会出展のため盛岡に来ています。東京よりは涼しいです。

レポートが随分遅くなってしまったのですが、6月26日に品川イーストワンタワーでセミナー「急激に進化するメタボローム解析の威力」を開催しました。定員を上回る100名弱の皆様に参加いただき、質疑応答も活発に行われ、非常に盛り上がったセミナーとなりました。

HMTが主催してこのように大規模なセミナーを行うのは初めてのことだったので、何かと至らぬ点も多く、ご参加いただいた皆様にはご不便をおかけする点もあったかと思いますが、アンケートではほとんどのお客様に満足したと答えていただき、ほっとしています。

各先生方のお話をざっくりとまとめると、
Chris Beecher教授は、「メタボローム解析は有用だが、メチル化というコンセプトマッピングがなければ、サルコシンには行き着かなかった。多くの情報を集約することでメタボロームデータが活きてくる」
川村則行先生は、「精神疾患を分子的アプローチで解き明かすのは、困難だが可能になってきている。血中のペプチドおよび代謝物質の網羅的比較は、現実としてうつ患者と健常者を正確に分離することができている。精神疾患の分子診断は、すぐそこまで来ている」
鈴村謙一先生は、「機器の扱い方で難しい面もあるが、総合的に判断してCEの網羅性は高い。GCかLCに、CEを付け加えることで、メタボローム研究のアプローチは大幅に補完されるのではないかと感じる」
といった内容でした。

今後もこのようなアプリケーションをご紹介するセミナーを開いていきたいと思っています。今回はご都合がつかなかった皆様も、ぜひ次回ご参加いただけたら幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。…

ビーチャー教授が来鶴されました

こんにちは、HMTの大賀拓史です。ミシガン大学の Chris Beecher 教授が来日され、鶴岡のHMT研究所も訪問されています。

写真は右から、Beecher 教授、コンサルタントのウィリアムさん、HMTの石川、大賀です。地元の名産を使った和食に「fantastic!」とのご感想でした。今日のランチに行った農家レストランでも、「お店の人においしかったと伝えてください」とおっしゃるほど気に入っていただけたようでした。…

メタボロ太郎なう

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