Metabolite of the Week|ドーパミン

Metabolite of the Weekでは、みなさまの研究にお役立ていただけますよう、代謝物質の機能や役割について紹介をいたします。
今回はドーパミン(Dopamine)について紹介をいたします。

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ドーパミン

ドーパミン

  • ドーパミン(ドパミンとも)は、カテコールとアミンを有するカテコールアミン(カテコラミン)の一種で、神経伝達物質としてよく知られています。また、アミノ基を一つもつことからモノアミンとして分類されることもあるほか、フェネチルアミンの構造をもつことからフェネチルアミン誘導体として記載されることもあります。
  • カテコールアミンとしては他にも、ドーパミンの前駆体となるレボドパ(L-ドパ)や、ドーパミンから産生される神経伝達物質であるノルアドレナリン、アドレナリンといった物質も知られています。
  • ドーパミンは脳内において、運動機能や報酬システム、動機づけ、覚醒など様々な機能に関係しており、脳の神経細胞と体の他の部分をつなぐ役割を持っているとも言えます。
  • ドーパミンの直接の前駆体であるレボドパは、非必須アミノ酸であるチロシンから合成されます。チロシンは必須アミノ酸であるフェニルアラニンから合成されるため、ドーパミンの合成においてはこれらのアミノ酸が重要な役割を持ちます。また、主要な経路ではありませんが、チロシンからチラミンを経由してドーパミンが合成される経路も知られています。
  • ドーパミンはバナナやジャガイモ、アボカドやブロッコリーなど様々な植物に含まれており、食品として多くの量を摂取することができます。ただし、ドーパミンは血液脳関門(BBB)を通過することができないため、脳内でのドーパミン量調節のためには前駆体のレボドパを摂取することが重要です。
  • ドーパミンはドーパミン-β-モノオキシゲナーゼによってノルアドレナリンに代謝されます。また、ノルアドレナリンがメチル化されることによってアドレナリンが産生されます。また、異なる代謝経路を経るドーパミンの代謝物質として、ホモバニリン酸(HVA)も挙げられます。ホモバニリン酸はドーパミンからいくつかの反応を経由して生成されますが、尿中のホモバニリン酸量は生体内のドーパミン量を反映していると考えられています。
  • ドーパミンは、中枢神経系の疾患などにも深く関与することが知られています。一例として、パーキンソン病や注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群、統合失調症などが挙げられます。パーキンソン病においては脳内のドーパミン量が低下していることが知られていることから、その前駆体であり血液脳関門を通過できるレボドパが治療薬として用いられています。また、脳内のドーパミン量は加齢に伴って減少することが報告されており、脳の老化とも関連していると考えられています。

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