お久しぶりです、HMTの井元淳です。相変わらず東京は暑いですね。
今年もHMTこども科学実験教室を開催しました。去年の反省を生かし、今年は早くから実施計画を立て始め、募集期間を1カ月近くとることができたので、募集定員の30名を超える方にお申込みいただきました!
実験は、シリンジを二つ繋げて水圧装置を作り、水圧を利用して荷台を上げ下げすることができるクレーンを組み立て、「パスカルの原理」を学ぶというものです。今年も社員がボランティアスタッフとして実験のお手伝いをしました。3回目ともなると、だいぶん慣れてきました。…
こんにちは、B&Mの大賀です。
昨晩、研究所に来られたゲスト(?)の記念写真です。ちょっと分かりにくいですが、アマガエルです。HMT研究所の裏手には田圃があるので、この時期は敷地内でしょっちゅうカレらと遭遇します。特に雨上がりの晩は普通に路上にいるので、踏みそうになった人間の方が慌てて避けています。
ところで、日頃から気になっていたのですが、
『カエルは動かない』
この撮影時もかなり接近して色々なアングルで覗き込んだのですが、まるで眼中に無いかのごとく動きませんでした。ちょっといたずらして軽くつついても相変わらずのノーリアクション。僅かに腹部のあたりが上下していましたが、あまりの不動っぷりに貫禄すら感じました。
そして、そんなカエルの傍らには、「きっと今頃こいつの体内では解糖系が停滞して省エネモードに…いやまて、そう見せかけて次に動くときのためにエネルギーを筋肉に輸送して、だとするとホスホクレアチンが…」なんてことを座り込んで延々と考えている私がいたりしました。
その晩、HMTの駐車場には約5分ほど不気味に動かない2つの物体が…今更ながらですが、誰にも見られなくて本当に良かったと思います。
そういえば、動かないカエルといえば『茹でガエル(※)』の諺を思い出しますが、そうやら実際にはそういった結果にならないのだとか。しかし、その検証実験というのはやっぱり…茹でちゃったんですよね。。東北も梅雨が明けて暑い日々が続いていますが、写真のカレは今ごろ茹らず元気に過ごしていることを願います。
※「2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する。」という喩え話から、人間は環境適応能力を持つがために、ゆっくりとした変化は、それが致命的なものであっても受け入れてしまう、という理論。…
こんにちは、B&Mの大賀です。
山形のサクランボが今年もきれいに色づいています。天候の都合で収穫の時期が例年よりずれ込んだそうで、少し遅いこの時期でもお取り寄せが間に合うようです。今はちょうど、横綱ブランド『佐藤錦』のピークが終わり、期待の新品種『紅秀峰』が全国に配送されているとか。そういえば今年はまだサクランボを食べてなかったという方は、シーズンが終わる前にぜひお取り寄せサイトをチェックしてみて下さい。…
今年の学会は2年に1度の植物メタボローム学会との同時開催ということもあり、過去最大の740名の登録がありました。およその内訳は、南北米から100名、アジア100名、残りはヨーロッパが中心で、アフリカ、中近東からの参加もありました。やはりEU中心の学会でしたが、参加国は40数カ国に膨れ上がり、全般に活況でメタボロームの第2ステージの幕開けを実感できた学会でした。今回で3年連続参加したので、最近の変化と言う観点から今年の印象を以下のようにまとめてみました。…
バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。植物メタブローグ第五弾です。
前回に引き続き、2-オキソグルタル酸の供給を増加させる植物を作製して解析した論文の2報目を紹介します。…
バイオメディカルグループの篠田です。
先導助成へのご応募ありがとうございました!昨年を上回る応募があり、倍率は10倍以上となっています。
写真は全応募者の封筒です。とても重いです。…
バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。前回のがんとメタボロームの続きについてお話したいと思います。
前回は、がん細胞はエネルギー獲得と同時に増殖に必要な細胞内構成成分を生合成するのに有利な代謝を行っていること、グルコースやグルタミンを大量に取り込み、解糖系およびグルタミン分解が活性化されていることをお話しました。
グルコースは解糖系でピルビン酸に変換され、乳酸脱水素酵素によってさらに乳酸に変換されます。グルタミンも、グルタミン酸を経て、2-オキソグルタル酸に変換され、ミトコンドリア内のTCA回路に入り、リンゴ酸が生成されます。生成された一部のリンゴ酸はミトコンドリアから再び細胞質へ出て、リンゴ酸脱水素酵素によってピルビン酸に変換され、グルコース由来のピルビン酸の場合と同様に乳酸に変換されます。そのため、ピルビン酸から乳酸への反応はがん細胞代謝において非常に重要な働きをしています。
がん細胞内で、乳酸蓄積に関して、グルコースとグルタミンがどの程度寄与しているかについては大変興味深い問題で、いずれお話したいと思いますが、今回はピルビン酸から乳酸を生成する乳酸脱水素酵素に着目して、この酵素ががん細胞の増殖に重要であることを示した論文について説明します[1]。…
バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。いつもは植物とメタボロミクスについてお話していますが、今回からがんとメタボロミクスについてもお話ししていきたいと思います。植物とメタボロミクスについても引き続きお話していきますので、こちらもよろしくお願いします。
がんの研究の世界では、どのようなメカニズムを働かせて正常細胞からがん細胞に変換され、がん細胞が増殖し続けるのかについて明らかにするために、20世紀の終わり頃はがん遺伝子、がん抑制遺伝子を同定する仕事がたくさん行われてきました。その結果、がん化あるいはがんの抑制に関わる遺伝子が多く同定されてきました。…
こんにちは。先週は私、「はやぶさ」君に泣かされ、「イカロス」の勇姿に感動し、と「天上の出来事」(実際はPCのモニター内ですが…) から目が離せない一週間でした。ところがどうやら、世間はワールドカップの話題で持ちきりな様子。一人で興奮してJAXAの偉業をまくし立てたところで、あれ、なんでしょう?この冷めた視線と雰囲は…己のトレンドが予想以上にマイナーなポジションあったことに気付く今日この頃、B&Mの大賀です。
サッカー日本代表の応援は全くのにわかファンですが、カメルーン戦に続き、オランダ戦でも前評判を覆す戦いぶりでしたね。「惜しい~」というチャンスが何度もあっただけに悔しいです!この週末のデンマーク戦でも、世界ランキングとやらを飛び越えた試合が期待できるでしょうか?柄にもなく、みんなとテレビ観戦してみようかな、なんて思っています(でも夜中の3時です・・・)。…
バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。植物メタブローグ第四弾です。
前回のブログでは、無機窒素化合物を有機窒素化合物に変換する代謝経路を活性化するには、硝酸イオンの取り込みおよび変換だけでなく、アミノ基を受け取る炭素骨格としての2-オキソグルタル酸の供給が重要な因子であることを説明しました。
今回と次回のブログでは、2-オキソグルタル酸の供給を増加させると植物の生育にどのような影響を及ぼすのかを解析した論文を1報ずつ紹介します。1つ目の今回は、ジャガイモを用いて変異型ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを過剰発現させて代謝がどのように変動したかを調べた論文です[1]。…