大規模なメタボローム解析法に関する論文掲載のお知らせ
~画期的な疾患予兆発見の仕組み構築のための基盤技術の確立~
この度、弘前大学COIにおいて国立大学法人弘前大学(学長:福田 眞作)と行っている共同研究「認知症・生活習慣病研究とビッグデータ解析の融合による画期的な疾患予兆発見の仕組み構築と予防法の開発」の成果が国際メタボローム学会提携ジャーナルであるMetabolites誌に掲載されましたのでお知らせいたします。
詳細なお知らせはこちらをご覧ください(PDFが開きます)。
論文概要:
岩木健康増進プロジェクトに参加した314名のヒト血漿サンプルのCE-MSを用いたメタボローム解析において、サンプルよりQuality Controlサンプル(QCサンプル)を作成し、一定数のサンプル測定ごとにQCサンプルもあわせて測定し解析を行いました。
主成分分析の結果、第1主成分スコアでキャピラリー交換を要因とする測定値の変動、第2主成分スコアで測定順を要因とする測定値の変動が確認されました。QCサンプルを用いて補正を行ったところ、補正後では全ての代謝物において測定時の変動の影響が低減されていることが確認されました。
次に188名の健常者の血漿サンプルを対象に、血液検査項目とQCサンプル補正後のメタボローム解析データとの網羅的な相関解析を行いました。その結果、血中尿素窒素とグアニジノコハク酸に、また、γ-GTとシステイングルタチオンジスルフィドに特に高い相関があることが見出され、本解析法により新たな知見が得られました。
Metabolites 2021, 11(5), 314
Hiroyuki Yamamoto, Makoto Suzuki, Rira Matsuta, Kazunori Sasaki, Moon-Il Kang, Kenjiro Kami, Yota Tatara, Ken Itoh, Shigeyuki Nakaji.