史上最大級のメタボロームマップにより微生物の飢餓応答の仕組みを解明

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社では、慶應義塾大学と共同で、大腸菌のアミノ酸飢餓応答におけるメタボロームプロファイルをCE-TOFMSにて解析し、ダイナミックな代謝変動を明らかにしました。

大腸菌はアミノ酸の枯渇により、細胞分裂、染色体複製、遺伝子発現などを多面的に抑制する緊縮応答を起こすことが知られています。研究グループはこの緊縮応答による代謝変化について解析を行いました。解析の前に大腸菌メタボロームリストを作成し、727代謝物質についての基本情報をまとめました。それらの代謝物質のうち、基本代謝物質は453存在し、その88%に相当する402代謝物質がCE-MSによる測定で検出可能であることが予想されました。ヒスチジン飢餓条件下で培養した大腸菌のメタボローム解析を行い、198代謝物質の検出に成功。それらをメタボロームマップとしてまとめました。これにより、ヒスチジン生合成経路の活性化や解糖系-TCA回路の特徴的挙動、細胞壁合成の抑制など、これまで観測されていなかった代謝における緊縮応答の効果を明らかにしました。

研究成果は、英国王立化学会の専門誌 Molecular Biosystems 電子版で公開されました [ジャーナルウェブサイト]。 また、同誌の2008年2月号に掲載予定です。

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