第11回メタボロームシンポジウム

 

 

概要

会期

11月13日(月)~14日(火)

会場 ホテル阪急エキスポパーク
住所 〒 565-0826大阪府吹田市千里万博公園1-5
 

ランチョンセミナー

日時 2017年11月13日
タイトル

「キャピラリー電気泳動-

  飛行時間型質量分析計における未同定ピークの構造候補のランキングのためのメタボロミクスによるアプローチ」

演者

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 技術開発本部 部長 佐々木 一謹

 

分離装置と質量分析計を組み合わせたノンターゲットメタボローム解析において、ピークの同定は一般的に標準物質との比較により行われる。しかし、試薬メーカーからの購入等、比較的容易に入手できる標準物質には限りがあり、ノンターゲットメタボローム解析の結果には多数の未同定ピークが存在する。未同定ピークに対するアプローチはタンデム質量分析や分取・精製したピークに対するNMRによる測定などがあるが、煩雑な実験や解析が伴い、数多く存在する未同定ピーク全てに対応することは困難である。今回我々はキャピラリー電気泳動-質量分析を用いたメタボローム解析の未同定ピークに関する情報が少ない物質同定初期の段階において、インフォマティクス手法により、効率的に未同定ピークの構造候補を絞り込むための手法を提案する。

まず同位体分布から計算された分子式を元に、Publicなデータベースを検索する等によって、複数の構造候補を取得する。事前に、in-houseライブラリに登録されている代謝物質の価数、分子量から移動時間の予測モデルを構築し、この予測モデルを用いて、得られた全ての構造候補の移動時間を予測区間として算出する。この予測区間と、実際に検出された未知物質の移動時間を比較することにより、構造候補の絞り込みを行う。次に、未知物質は同一サンプル中で検出された標準物質から、官能基が脱離・付加した物質である、という仮定をおく。未知物質の分子式と、サンプル中で検出された全ての標準物質との分子式の差分を計算し、想定される官能基の脱離・付加リストとのマッチングを行う。これにより、上記仮定の下での、未知物質に対する前駆体/生成代謝物に関する情報が得られる。最後に、構造候補と前駆体/生成代謝物の化学構造の類似度を指標として、構造候補のランク付けを行う。発表では以上の手順を用いて、タンパク質構成アミノ酸20種類を未同定ピークと仮定しシミュレーションを行った結果や実際に尿中で検出された未同定ピークを同定した例を報告する。

 

Yamamoto and Sasaki, Electrophoresis 38 1053-1059 (2017)

Metabolomics-based approach for ranking the candidate structures of unidentified peaks in capillary electrophoresis time-of-flight mass spectrometry.

Kazunori Sasaki, Hiroyuki Yamamoto

(Human Metabolome Technologies, Inc.)

Keywords:

Unidentified peak, CE-MS, Chemoinformatics

 

 学会の詳細は第11回メタボロームシンポジウムをご覧ください。

 

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