概要
会期 | 9月14日(金) |
会場 | 和洋女子大学 |
住所 | 〒272-0827 千葉県市川市国府台 2丁目 3-1 |
ランチョンセミナー(このページからお申込ができます)
日時 | 9月14日(金)12時15分 ~ 13時15分 |
タイトル | 乳製品の付加価値を高める乳酸菌代謝産物の探索 |
演者 | 萩 達朗先生
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 畜産物研究領域 乳製品開発ユニット |
座長 | 川井 泰先生
日本大学 生物資源科学部 動物資源科学科 ミルク科学研究室 |
乳酸菌の糖代謝やタンパク質分解等の働きで、乳製品には揮発性物質、有機酸、ペプチドやアミノ酸など、風味や機能性に関与する代謝産物が多く存在する。これら代謝産物は人間の五感や健康に影響するものが多く含まれ、乳製品の付加価値を高めるためにも代謝産物の解明は重要である。そのため、特定の有用物質を生産する乳酸菌および、乳製品中の付加価値の高い代謝産物の探索が進められている。代謝産物の探索については、近年の分析技術の発展によって、LC-MS/MS、GC-MS、CE-TOFMSを用いてミルクや乳製品中の生理活性ペプチドおよび風味生成に関わる物質の一斉分析が行われており、未知の代謝産物も明らかになってきている。
我々はこれまでに、乳製品の付加価値を高めるような乳酸菌の探索を行い、γ-aminobutyric acid (GABA)やカロテノイドを生産する乳酸菌などを分離している。GABA生産乳酸菌はGABA生産のみに注目されがちであるが、本セミナーでは、GABA以外の代謝産物について紹介したい。GABA生産乳酸菌で作製した発酵乳についてHMT社のCE-TOFMS解析を実施した結果、GABA生産乳酸菌にはオルニチンや2-オキソグルタル酸を生産し、プロリンを含むACE阻害活性ペプチドも生成することがわかった。また、乳酸菌の黄色色素であるカロテノイドは乳酸菌のストレス耐性に寄与し、その生産機構もわかってきたので併せて紹介したい。
学会の詳細は酪農科学シンポジウム2018をご覧ください。