Metabolite of the Week|アスパラギン

Metabolite of the Weekでは、みなさまの研究にお役立ていただけますよう、代謝物質の機能や役割について紹介をいたします。
今回はアスパラギン(Asparagine)について紹介をいたします。

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アスパラギン

アスパラギン

  • アスパラギン(asparagine, Asn)は中性の側鎖を持ったアミノ酸で、ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸のひとつです。植物に広く分布しており、アスパラギンの名称はアスパラガスから単離されたことに由来します。ヒトは肉や魚のタンパク質をアミノ酸に消化して、そこに含まれるアスパラギンも吸収して利用します。
  • アスパラギンは、栄養補助などを目的とした食品添加物として利用されます。一方で、食品のアスパラギンと還元糖は加熱調理によってアクリルアミドを生成することがあると考えられています。
  • アスパラギンは酵素によってアスパラギン酸に変換されます。そのため、生体内でのアスパラギンの作用はアスパラギン酸と共通する部分が多くみられます。たとえば、エネルギーを産生するクエン酸回路に基質を供給するため、疲労回復などに効果があると考えられています。また、細胞内で生成した有害なアンモニアを毒性の低い尿素に変換する尿素回路に基質を供給するため、細胞の保護に寄与していると考えられています。
  • アスパラギンはアスパラギン酸に酵素によってアミノ基が転移すると生成します。アスパラギン酸は解糖系やクエン酸回路で生成するため非必須アミノ酸であり、その代謝産物であるアスパラギンも非必須アミノ酸です。
  • アスパラギンとその利用に関する酵素の活性は、がんの制御と転移にも関連していると考えられています。たとえば、アスパラギン合成酵素の発現が上昇してアスパラギンが増えるとがんの進行と転移に寄与し、アスパラギンを分解するL-アスパラギナーゼは抗がん作用を示します。

Asparagine, colorectal cancer, and the role of sex, genes, microbes, and diet: A narrative review
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmolb.2022.958666/full

Exploring the Role of Metabolites in Cancer and the Associated Nerve Crosstalk
https://www.mdpi.com/2072-6643/14/9/1722

Asparagine in plants
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1744-7348.2006.00104.x

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