オートファジーとは
オートファジーとは、細胞内において、細胞小器官オートファゴソームを使ってタンパク質などを回収し、リソソームと呼ばれる他の細胞小器官に運んだうえで分解とリサイクルを行う仕組みです。
「細胞の新陳代謝」「有害物の排除」「飢餓時の栄養源の確保」といった機能と深く関連しています。
細胞の新陳代謝
オートファゴソームは、細胞の中にあるものを何でも少しずつ無作為に取り込んで分解します。
分解されたものと同じものがすぐに細胞内で作られるため、見た目上は何も変わりませんが、細胞の新陳代謝が起こります。また、分解産物は100%再利用されます。
タンパク質が分解されるとアミノ酸になりますが、そのアミノ酸は新しくタンパク質を作るのに使われたり、あるいはエネルギーに変えられたりします。
有害物の排除
オートファゴソームは無作為な回収だけではなく、有害なものが細胞内に現れるとそれを察知して取り込みに行きます。
例えば病原性細菌などが細胞に感染すると、それらを取り込んで隔離しリソソームに運び分解します。壊れたミトコンドリアからは毒性の強い活性酸素が漏れ出すので、それらも取り込み分解します。
アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患と呼ばれる病気は、脳の細胞の中に異常なタンパク質の塊ができて細胞が死ぬことで起きます。オートファゴソームはそのような異常なタンパク質を取り込んで分解し病気を防ぎます。
飢餓時の栄養源の確保
全ての生物に共通する、オートファジーの最も基本的な役割の一つです。
オートファジーは様々な病気を防いでいる
HMTでは、オートファジー活性評価を提供する株式会社AutoPhagyGO(APGO)との業務提携により、培養細胞を用いたオートファジー活性評価サービスを日本国内において独占的に提供しております。
オートファジー活性評価サービスは、ヘルスケア関連企業やアカデミアが研究開発対象とする素材を培養細胞に添加することにより、オートファジー活性の誘導状態をAPGOが保有するノウハウを活用して調べることができます。オートファジーの活性を評価することは、アンチエイジングを目的とした機能性表示食品や化粧品などの機能性素材の探索などに有効な手段と考えられています。