こんにちは。バイオメディカルグループの大橋です。東京は春の陽気だそうですね。
先週に引き続き「代謝プロファイルから示されるサルコシンの前立腺がん進行への関与 (Nature誌)」について、メタボロミクスの研究者として、どのようにこの論文を解釈しているかについての私見を述べてみたいと思います。
前編は[こちら]
みっつめのポイントは、組織メタボロミクスデータからサルコシンという物質への絞込みです。組織のメタボロミクスデータから変化している代謝物質を絞り込む過程は、多くの容疑者から真犯人を割り出すようにスリリングです。
使われている手法も適切ですし、permutationという数値置換群によるテストを行い、妥当性も検討しています。著者らは、まず良性腫瘍 (benign)と悪性腫瘍 (PCA)を比較し、37種のアノテーションの付いた代謝物質を抽出します。ここで、未同定ピークには目もくれないところから、生化学的合理性に主眼を置いていることが読み取れます。…
こんにちは HMTの大賀拓史です。
今日は「桃の節句」、ひな祭りですね。日本全国の家庭で、あるいは展示場で、たくさんのひな人形が、久しぶりの晴れ舞台に上がっていることでしょう。こちら庄内でも「庄内ひな街道」として、ひな人形の展示イベントが開催されています。
人間よりはるかに長い時間を過ごした昔のものから、ちょっと変わったスタイルのものまで、パンフレットを片手に鑑賞をしていると、自分でも意外なくらいに魅入ってしまうことができました。
こんな私ですが、昔、それこそ周りの女の子がひな人形を飾っていた時分は、人形というものに全く興味がありませんでした。自動車や飛行機といった機械モノの模型は大好きだったのですが、生き物、特にヒトの模型 (というのもおかしな言い方ですが) はむしろ苦手なくらいで。今となってはその理由も良くわかりませんが、とにかく周りの男友達と一緒に、「女はよく分からん」などと言っていたように思います。
成長した後は言わずもがな、男と女の間には幼い頃からも、大きな隔たりがあるのでしょうか?この深大なるテーマに対して、実はあるメタボローム研究が興味深いデータを出しています。…
こんにちは、HMTの大賀拓史です
昨日は節分でしたね。もう、2月ですか...あえてもう一つの2月の行事には触れませんが、毎年この季節になると、お店の広告がカレンダーに代わって時の流れの早さを教えてくれます。
そういえば、私自身は最近、「豆まき」を全くやらなくなってしまいました。豆まきのやり方は地域や時代によって異なるかと思いますが、私が子供の時は、炒った大豆を部屋中にばら撒いて「年の数+1粒」を食べる、というスタイルでした。後で掃除の苦労が待っていることを知ってはいても、そこは自制心より勢いが勝る幼少期の自分。結局、それから数日間、年の数よりもはるかにたくさんのお豆がおやつになったことを覚えています。
その当時は全く意識していませんでしたが、最近はこの大豆に含まれている「イソフラボン」が大いに注目されていますね。…
こんにちは HMTの大賀拓史です
先週末は鶴岡市の冬祭り「日本海寒鱈(かんだら)まつり」に参加してきました。このお祭りは、日本海で獲れたタラを味噌仕立てのおなべ (どんがら汁) にして、みんなで味わおう!というものだとか。市内の商店街にお店や舞台が出て、楽しい賑わいの中、たくさんの方がお祭りと冬の味覚を楽しんでいました。寒い中でのどんがら汁は野趣あふれる美味しさで、体を芯から温めてくれました。
ところで今回の主役、タラはその美味しさの他に、傷みが早い魚としても有名です。…
こんにちは、HMTの 大賀拓史です。
先日、研究所の先輩がサケ漁に参加したときの写真を見せてくれました。山形県と秋田県の境にそびえる鳥海山。そこから流れる牛渡川で、一般向けに公開される漁に参加してきたそうす。(ホームページでの案内もされていますので、興味がある方は是非、探してみてください。)
仕掛けにかかったサケの群れを一気に引き上げて...…
こんにちは。バイオメディカルグループの大橋です。
世界の叡智が結集するボストンで、今年のMetabolomics 2008は開催されました。2年前に続いて2度目のボストン開催ですが、今回は街の中心地、パブリックガーデンを望むバックベイエリアでの開催。お昼はおしゃれなカフェで一息つくことができます。
さて、メタボロミクスです。…
こんにちは HMTの大賀です
Metabolomics 2008のレポートが届いていますね。私自身は残念ながら参加していないのですが、内容を伝え聞くだけでも勉強になります。
ところで、Metabolomics 2008を主催している Metabolomics Society は、メタボローム分野における主要コミュニティの一つですが、その目標の一つに、メタボロミクスの「世界標準」を決める、ということがあるそうです。…
HMTの研究開発部門、バイオインフォマティクスグループの篠田です。
9月2日から6日までボストンで行われたMetabolomics 2008に参加して参りました。ブースにお越しくださった皆様、ありがとうございます。
社長に引き続き、バイオインフォマティクスの視点からMetabolomics 2008をレポートしたいとおもいます。…
こんにちは HMTの大賀です。
先日、研究所の前にある緑地で、白い花が風に揺られて咲いていました。私自身は初めて見る花だったのですが、ひとに聞いたところによるとソバの花だそうです。そういわれてみると、まだ青いながらも、どこかで見たことがある形の実がなっていました。
新ソバといえば、秋の味覚ですね。まだ冷めやらぬ残暑のせいで気付きませんでしたが、鶴岡は季節の移り変わりを迎えたようです。
さて、移り変わるといえば代謝です! (我ながら強引な…)…
こんにちは HMTの大賀です。
先週は鶴岡市を流れる赤川で花火大会がありました。「全国デザイン花火競技会」として毎年行われるこの花火大会、今年は夜空に 10,000 発以上の華が咲き、普段は閑静な川辺も多くの人で賑わいました。
ところで、技術や学問にも、華ひらくとき があるものです。
何をもってその時とするかは人それぞれの意見があるかと思いますが、世に広く知られるという意味で、いわゆる「メジャーな科学誌」に論文が発表されることが一つの目安になるかと思います。
メタボロミクスに関する論文も、これまでいくつかの有名な科学誌に掲載されていますが、今回はその中でも、メタボロミクスが世に広まりはじめた2000年代前半にNature Biotechnology 誌に掲載された 2 つの論文をご紹介したいと思います。…