うーん…うーん汗
どうしたん?また食べすぎか?
違うんですよ~!
学会で「メタボロームも解析してみたら?」ってアドバイスされたんですけど、いまいちなんなんだかよく分からなくて…
確かにライフサイエンス分野ではよく聞くキーワードになったけど、言葉だけが独り歩きしてるところもあるかもしれへんな。
”メタボローム”は簡単に言えば「代謝物質」のことや。
代謝物質っていうのは「分子量1000以下の生命を構成する有機分子」で、…って言うと難しいけど、代謝(生命がエネルギーを得る活動)することで作られたり使われたりするような物質のことやな。
アミノ酸とか糖(例えばブドウ糖や麦芽糖)みたいな栄養とか、脂肪やDNA(の一部)とか、実は薬も代謝物質なんやで。
メタボロームの研究はどんなことに利用されているんですか?
代謝物質は生物由来のものには必ず存在するから、ライフサイエンスのどんな分野にも応用できる。
例えば医学分野では、専門家でないと判断が難しいうつ病(大うつ病)を客観的に診断できる指標となる物質(バイオマーカー)が見つかってるで。
客観的な指標があることで、健康診断とか、専門外の医師にかかったときにも病気を発見できるようになるやろ?
うつ病の患者さんって、自分ではそれと気付かずに、なんとなく体調が悪いな、って内科に行く人も多いって言いますもんね。
もちろんヒトのような動物だけじゃなく菌の研究にも使われてるで。
ヒトの腸内にいる菌の活動(代謝)は当然 宿主であるヒトにも影響を及ぼしているやろうと予想されるけど、実はこれまで詳しく調べた研究はなかってん。せいぜい有名な数種類の代謝物質について調べられているだけやった。
そこで腸内細菌が産生する代謝物質を200種類近く解析してみたら、ヒトが吸収しているだろうと考えられていた有効成分が実は菌によって分解されてしまっていたり、逆に菌が栄養として吸収しているやろうと考えられていた物質がほとんど使われずに便として排泄されていたり、思いもよらない結果が出てたな。
へ~、腸内細菌ってよく聞く言葉なのに、分かってないことも多いんですね~。
うん。他にも、有用物質(食品や石油など)を効率的に作るための解析とか、機能性食品や薬がどんなふうに効いているのかを調べたりとか、いろんな分野で研究に採り入れられるようになってきてるで。
誰か食べても食べても太らないラーメンの研究とかしてくれるといいな~!
第1回のまとめ
- メタボロームは代謝することで作られたり使われたりするような物質のこと
- メタボローム解析はライフサイエンスのどんな分野にも応用できる
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