論文紹介

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4つ目の代謝経路

こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。

こちら鶴岡研究所、今日は新年度に向けての席替えを行っています。デスクと一緒に気持ちも入れ替えて、新しい年度の幕開け準備が整いました。

そういえば、この4月からはじまるものの一つに、Nature Group から新発刊される「Nature Communication」がありますね。Natureというと私、個人的には購読するか否か悩ましい「お高い」ジャーナル、というイメージがあるのですが、Nature Communication はオープン・アクセス・ジャーナル とのことです。創刊号として掲載されるのはどんな論文でしょう?楽しみですね。

そんなNature(本誌)先週号に、面白い論文が掲載されていました。…

[第4回マルチオミクス] ワールブルグ効果の再興―がんは代謝研究だった?

こんにちは、バイオメディカルグループの篠田です。今回はがんとメタボロミクスについてお話しします。

昨今、がんは遺伝子の病気ということになっており、例えばWikipediaで”がん(悪性腫瘍)“を調べると、

と最初に書かれています。…

足下に目をやれば

こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。

こちら鶴岡、今朝は気持ちのいい晴れ空が広がっていました。久しぶりに歩いて通勤して来たのですが、その途中、ふと足元を見ると小さなフキノトウが。自動車に乗っていては、決して見つけられない春の萌し。意外なほどに身近な景色からの嬉しい発見でした。

フキ (蕗: Petasites japonicus) といえば、季節の食材としてお馴染みですが、薬としても昔から用いられています。漢方では咳止めや痰切りに処方されているそうですし、その他にも抗癌・抗炎症作用が報告されています。また、最近では花粉症対策のサプリメントとしても扱われているそうですね。一方、動物モデルの実験では、若い花茎を大量に摂取すると肝腫瘍が形成されることが報告されています(もっとも、灰汁抜き調理したものをほどほどに食べる分には、気にしなくても良いそうですよ)。まさに薬と毒は裏返し、の良い例ですね。…

人それぞれの基準

バイオメディカルグループの大賀です。

ニュースでご存知の方もいらっしゃるでしょうか?先週末、こちら鶴岡はこの冬一番の大雪でした。私自身も、車の運転中にホワイトアウト (激しい吹雪で視界ゼロになってしまうこと) に遭遇するという恐怖体験をしました。ウワサには聞いていましたが、本当に、数十センチ先を走っている車が見えなくなるのですね...我ながらよく生還できたものです。

しかもその後、自分の中の安全基準が狂ってしまったようです。今日も路上には雪が残っていて十分に危険だったのですが、「あの時に比べれば」なんて思ってついスピードを上げてみたり。鶴岡で初めての冬は雪道を運転する人の気が知れなかったのですが、私もだんだん雪国仕様になってきたのでしょうか?いずれにせよ、安全運転には気を配らなければなりませんが。

ところで、どうやら私たちの『健康の基準』値も人それぞれ、かもしれません。…

[第5回メタボロミクスと統計解析] メタボロームデータと統計的仮説検定 その2

山本です. 前回, p-valueの補正の必要性について述べました. 簡単に振り返ります.

統計的仮説検定において, 有意差あり無しの判断を, 独立な複数の仮説検定を行うことを考慮せず, 別々に検定を行っただけのp-valueを用いて行うと, 1種の誤り(差がないという帰無仮説が正しいのに, 間違って差があるとしてしまう誤り)が, 3つの物質の時には, 5%から14%に大きくなります. また直感的にも, データセット全体で相対的に特に差の大きな物質を特定する, という観点が欠けているのは, バイオマーカー探索においては不十分な感じがします. …

酢酸菌にはお世話になっております

こんにちわ、バイオメディカルグループの大賀です。鶴岡は先週から季節外れの晴れ空が見えたりもして、積っていた雪もすっかり溶けていました。もしかしたら、もう春? なんて冗談を言っていましたが、今朝起きたら僅か一晩で一面の雪景色に戻っていました。

そんな天気もどこ吹く風、暦の上では早や立春、節分ですね。そういえば昨年は節分豆について取り上げましたが、節分といえばもう一つ、恵方巻きも欠かせません!と思っていたのですが、実はコレ、二、三十年くらい前までは関西のローカル行事だったものを、いろいろな業界で販促キャンペーンとして全国に広めたものだそうですね。それにしても、家族揃って無言で同じ方向を見つめながら太巻きを口いっぱいに頬張る、あのシュールな光景を全国に広めるとは...とんでもないモノを流行らせてくれたものです。…

[第3回マルチオミクス] 超多重リン酸化修飾のナゾ

バイオメディカルグループの篠田です。以前のメタブローグで、昨今のリン酸化プロテオミクスのめざましい進展にともない、タンパク質のリン酸化修飾サイトが、これまでの予想より広汎に存在することがわかってきたが、その意義は未解明である、と紹介しました。

上記の傾向は、高等生物になるほど顕著で、原核生物では、1つのタンパク質につき7個以上のリン酸化修飾(セリン、スレオニン、チロシン)のサイトが存在することは非常に稀ですが、真核生物では、1つのタンパク質につき150サイト以上も珍しくありません。

今回、その「超多重リン酸化」の生物的意義の一端をシステムズバイオロジーの手法で解明した論文が、ハーバード大学のグループから出たので、紹介します。…

『太く』短く生きるメカニズム

こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。

こちら研究所は、おかげさまで正月ボケを一気に吹き飛ばす程の忙しさです。昨年と比べてもメタボロミクスの受託サービスが格段に普及したことを肌で感じることができ、所員一同、嬉しい悲鳴をあげながら測定データや報告書とにらめっこの毎日です。今年も、さらに広がりゆくメタボロミクスへの需要と期待に応えるべく、昨年までにじっくりと積み上げてきたノウハウを生かして取り組んでゆきます。

さて、年が明けてはや半月、正月ボケはすっかり抜けたものの、年末の暴飲暴食とお正月のおもちで膨れてしまったお腹と食欲は、なかなか元に戻りません。雪のために、外で体を動かす機会が少なくなったこの季節、健康の為にも、栄養の摂取と消費のバランスには注意を払いたいところですが…昨年末、栄養摂取と寿命に関する幾つかの興味深い研究成果が発表されました。…

しぶとさの秘訣は腸内細菌

こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。

こちら鶴岡は、とうとう山頂付近に雪が積もっています! 山の下は相変わらずの雨模様ですが...以前に住んでいた関西では、この季節にこれほど雨が続くことはなかったので、風土の違いに驚く今日この頃です。 …

青いバラの代謝工学

こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。

近頃、鶴岡の天気はかなり不安定です。雨の日が多く、ようやく晴れたと思いきや突然のゲリラ豪雨にがっかりさせられることも。天気に気分が左右される単純な者としては、からっと晴れてくれるとテンションも一気に上がります。本格的に雪が降りだす前に、一日でも多く、青空が見られるといいのですが…

さて、青くてテンションが上がる話題は天気だけではありません。こちらのニュース(サントリー社ウェブサイト”世界初!バイオテクノロジーで「青いバラ」の開発に成功!”)にも、私、かなり興奮しております。…

メタボロ太郎なう

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