当ページでは、「これからメタボローム解析を行ってみたい」「メタボローム解析という名前は聞いたことがあるものの、自身の研究に活かせるか不安がある」といった方に向けて、メタボローム解析についてや実際の注文までの流れなどを簡単に解説しております。
 
 さらに詳細な説明を聞いてみたい、実際に見積もりを取って検討したいなどのご要望がございましたら、ぜひページ下部のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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ページ内容

【メタボローム解析とは】
 ・何を測れるの?
 ・他のアッセイとは何が違うの?
 ・ペプチドやホルモンは測定できるの?
 ・どんな結果が出てくるの?
 ・どういった目的で使えるの?
 ・自分の分野に合った活用事例が知りたい

【自分のサンプルを測りたい】
 ・測定可能なサンプル種は?
 ・必要なサンプル量は?
 ・サンプルはどんな状態で準備すればいい?
 ・どんなプランを選べばいい?
 ・初めてメタボローム解析を行う時に気を付けることは?
 ・注文までの流れは?

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メタボローム解析とは

何を測れるの?

メタボローム解析の測定対象は、一言で言うならば「代謝物質」です。「代謝物質」という言い方に馴染みが薄い方もいると思いますが、その存在は非常に身近なもので、我々の体や食品などに存在している「アラニン」や「グルタミン酸」といったアミノ酸、乳酸やクエン酸といった有機酸、DHAやEPAといった脂肪酸、GABAやアスタキサンチンといった一部の機能性関与成分などが「代謝物質」です。
これら生体内に含まれる代謝物質の総体(すべて)を「メタボローム」と呼び(”metabolite”と”-ome”からの造語)、その種類や濃度を網羅的に分析する手法のことを「メタボローム解析」、その学問分野を「メタボロミクス」と呼びます。
 

他のアッセイとは何が違うの?

代謝物質を測定する手法は他にもあり、「メタボローム解析」でなくとも代謝物質の量を測定することは可能です。しかし、それらの手法の多くは特定の代謝物質に特化した酵素反応を利用したものであるため、例えば「ピルビン酸」や「乳酸」など、一回のアッセイで測定できる代謝物質の種類は限定されています。研究対象となる代謝物質が定まっている場合にはこういった手法での測定が有効ですが、「様々な代謝物質の増減を見たい」「そもそもどういった代謝物質が変化しているかわからない」といった場合には、必要なアッセイの量が膨大になってしまい、コストも手間も嵩むことになってしまいます。
「メタボローム解析」では、酵素を用いたアッセイ系とは異なり、質量分析計という装置を用いて分析を行います。この手法では、試料中にどういった重さ(質量)の物質がどれくらい含まれているかを一斉に分析し、検出されたシグナルがどの代謝物質に由来するものかを後から解析します。個々の代謝物質を測定するアッセイとは全く異なるアプローチを行うため、様々な代謝物質を一度に、網羅的に解析することが可能となるのです。
 

ペプチドやホルモンは測定できるの?

メタボローム解析が主として測定対象としているのは、分子量が1,000 Daよりも小さい低分子の化合物です(分子量の一例として、測定対象であるクエン酸(C6H8O7)は約192 Da、DHA(ドコサヘキサエン酸、C22H32O2)は約328 Daです)。そのため、いくつものアミノ酸が結合したオリゴペプチドや、さらに多くのアミノ酸からなるタンパク質のホルモンなどは測定対象外となります(例えは51残基のアミノ酸からなるインスリンは、約5,808 Daと非常に大きい分子のため測定できません)。
ただし、ジペプチドやトリペプチドといった低分子のペプチドや、脂質メディエーターと呼ばれるような分子はメタボローム解析の測定対象となりますので、解析が可能です。
また、HMTではタンパク質の網羅解析であるプロテオーム解析の受託サービスも承っておりますので、タンパク質を対象とした解析をご希望の場合も是非ご相談ください
 

どんな結果が出てくるの?

析結果が出た後、HMTにて報告書の作成を行い、報告書(PDFファイル)と各検体の分析データ(Excelファイル)を納品いたします。 報告書には基本的な測定条件や数値データのほか、統計解析として主成分分析(PCA)階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップパスウェイマップ等が掲載されます(プランや検体数によっては付属しない場合もございます)。
 
デモ報告書の送付などをご希望の場合はお問い合わせください。

どういった目的で使えるの?

メタボローム解析は研究のステージを問わず様々な用途でご利用いただくことが可能です。代表的な利用方法として、下記などが挙げられます。
 
バイオマーカー探索
疾患の有無、薬やサプリメント投与の有無、遺伝子改変の有無など、異なる状態にあると想定される生体試料の分析を行い、代謝物質にどのような差があるのかを解析します。
代謝物質は遺伝子やタンパク質よりも個体の表現型に近く、疾患等により遺伝子やタンパク質に影響が出る前に代謝物質に変化が生じている可能性が高いと考えられていることから、現在使われている疾患マーカーや診断マーカーよりも更に早期に疾患を発見できるようなバイオマーカーを探索することができると期待されます。
また、これまでは血液などを用いた解析を多くご依頼いただいておりましたが、近年は唾液や尿、糞便など、非侵襲的に採取可能なサンプルによる解析も増加傾向にあります。HMTでは様々な生体試料の解析経験がありますので、これまで使っていなかったサンプルの新たな可能性を探るお手伝いが可能です。サンプルの必要量については本ページ下部の「必要なサンプル量は?」をご覧ください。
 
細胞内代謝状態の解析
それぞれの代謝物質は「代謝」を通じて互いに関連していることから、ある物質が増えた場合にはその代謝経路の上流・下流にも影響が及ぶと考えられます。このことから、外部刺激によって細胞内にどのような影響が出ているのかを俯瞰的な角度から確認することができます。特定の代謝経路の物質量が増加・減少していたり、ある酵素反応の前後の物質比が逆転していたりした場合には、その部分に大きな変化があったことが想定されます。
培養細胞を用いた基礎研究から、微生物や微細藻類を用いた物質生産における最適化の研究まで、「代謝」の関わるあらゆる分野において有効活用していただくことが可能です。
 
含有成分の分析
メタボローム解析は食品の分野においても活用が進んでいます。特に機能性表示食品の流行により、GABAやDHAなど特定の機能性をもった成分が自社素材・製品に含まれているかどうかを確認したいという要望が増加しています。解析対象を特定の成分だけに絞らず網羅解析を行いたいというニーズに対してはメタボローム解析が最適です。また、産地や品種、ロットによってどのような違いが表れるのか、調理・加工プロセスによって特定の成分がどのように変動するかなどを確認することも可能です。

自分の分野に合った活用事例が知りたい

弊社のお客様が研究成果を公開される際、”Materials and Methods”の項に弊社名を入れていただくことが多くございます。 Google Scholar等で”Human Metabolome Technologies”とともにお客様の研究分野に関連する単語を入力して検索していただくと、弊社プランをご利用いただいた論文を中心とした文献をご覧いただくことが可能です(一部文献につきましては受託解析サービス以外での関連の場合がございます)。 また、弊社実績の中からお客様の研究分野、サンプル種に沿った先行研究や文献等をご紹介可能な場合もございますので、是非ご相談ください

自分のサンプルを測りたい

測定可能なサンプル種は?

生体由来のサンプルでしたら、ほとんどのサンプルが分析可能です。
・生体液(血漿血清、全血、血球、尿、涙、汗、母乳、脳脊髄液など)
・生体由来試料(肝臓、腎臓、肺、筋肉、脳、血管壁、膵臓、前立腺、皮膚、毛髪、脂肪組織、腸粘膜、大便など)
・培養細胞関連(接着細胞、浮遊細胞、血球細胞、培養上清など)
・微生物関連(培養微生物(大腸菌、枯草菌、酵母乳酸菌、糸状菌など)、培養液、微細藻類など)
・植物関連(植物葉、茎、果実、花弁、種子、藻類など)
・食品関連(食肉野菜、飲料、発酵食品、酒、調味料など)
太字となっているサンプルは特に多くご依頼をいただくサンプルです。
上記以外にも様々なサンプル種の実績がありますので、珍しいサンプルをお持ちの場合もぜひご相談ください

必要なサンプル量は?

必要となるサンプル量は測定に用いる装置等によって異なりますが、弊社の主要プランでは下記の必要量となります。
記載の量より少ないサンプル量であっても解析することは可能ですのでご相談ください

サンプル種 備考 必要試料量
(水溶性代謝物質解析)
血液 血漿・血清 120 μL
全血 50 μL
尿 100 μL
唾液 240 μL
皮膚角層
(テープストリッピング)
1 枚
糞便 30~50 mg
動物組織 肝臓, 脳, 筋肉など
(白色脂肪組織以外)
20~40 mg
白色脂肪組織 約 150 mg
培養細胞※1 接着細胞、浮遊細胞 1.0~5.0×106 cells
血球細胞等 1.0~5.0×107 cells
培地・培養上清 240 μL
微生物 大腸菌など
(直径が1 μm程度のもの)
20/OD600 相当※2
酵母など
(直径が10 μm程度のもの)
10/OD600 相当※2
糸状菌 50 mg(湿重量)
植物組織 葉, 茎, 果実など 20~40 mg
乾燥粉末 約 100 mg
食品 液体 500~1,000 μL
固体(生もの) 20~40 mg
固体(乾燥粉末) 100~500 mg

※1 HepG2、HEK293など、一般的な大きさの培養細胞では、1.0~5.0×106の細胞数が必要です。
細胞の大きさにより必要細胞数は変化しますので、特殊な細胞を用いられる実験の場合には事前にお問い合わせください。

※2 「/OD600」は、(OD600の値)× mLを意味します。たとえば「20/OD600」の場合は、サンプルのOD600値が0.5であった場合に40 mL分の、OD600値が2.0であった場合に10 mL分の菌体量が必要となります。OD600値の計測が困難な場合、湿重量や乾燥重量を秤量してください。

また、解析に供するサンプル量は補正値として用いる重要な値となりますので、必ず正確な秤量、計測の上お知らせいただきますようお願いいたします。

サンプルはどんな状態で準備すればいい?

サンプル種が糞便、培養細胞、微生物の場合については、お客様のもとで代謝物質の抽出まで行っていただいたうえでの送付をお願いしております。ご注文をいただきましたら弊社から抽出に必要な資材とプロトコルをお送りいたします。特殊な機械等は必要としません。
それ以外のサンプル種の場合には、凍結状態のまま弊社研究所にお送りいただくだけで測定・解析が可能です。食品など常温保存を行うものについては常温のままお送りいただけます。

どんなプランを選べばいい?

プランを選ぶ際にはまず、水溶性の代謝物質と脂溶性の代謝物質、どちらに着目するか決めていただくことをお勧めします。
解糖系やTCA回路を介したエネルギー代謝やアミノ酸代謝など、一次代謝に深く関連する代謝物質の解析であれば水溶性代謝物質の解析を行うプランが適しています。一方、脂肪酸やアシルカルニチン、ステロイドといった脂質に着目する場合などは脂溶性代謝物質の解析を行うプランが適しています。
ただし分離・測定機器の性質上、一般的な区分での水溶性・脂溶性に当てはまらないものもございます。プランごとの詳細な解析対象物質については資料ダウンロードページに掲載されていますので、そちらからご確認ください。
最適なプランがわからない場合、お客様の試験背景などをお伺いした上で弊社営業が最適なプランをご紹介いたしますので、まずはご相談ください
 
HMTメタボローム受託解析プラン

初めてメタボローム解析を行う時に気を付けることは?

・液体サンプル以外のサンプル種については、元のサンプル量によらず一定量の溶液で代謝物質を抽出・測定してから、元のサンプル量を用いて補正計算を行い、単位量あたりの代謝物質量を計算します。そのため、元のサンプル量を正確に計測しておくことが非常に重要となります。特に動植物の組織サンプルや細胞サンプルにつきましては、重量の計測や細胞数の計測など、補正のための値を必ず取っていただくようお願いいたします。
 また、水分含有量の差が重量に影響を与える場合もありますので、水分含有量などが大きく異なると考えられるサンプルの場合、前もって凍結乾燥等の実施を推奨する場合がございます。
 培養細胞ですと、細胞種によって大きさが異なる場合や薬剤処理によって細胞の大きさが変わってしまう場合などは、細胞数ではなくタンパク質量等での補正が有効となる場合もございます。
 
・凍結サンプルをお送りいただく場合には、凍結再融解の回数などにご注意ください。サンプル採取からの経過時間や凍結再融解の有無などによって代謝物質量は変動いたしますので、可能な限り検体間での条件を揃えてください。また、凍結再融解を防ぐためにも、サンプル採取時に必要量を切除・秤量の上保管いただくことを推奨いたします。
 
・動植物から必要重量のサンプルを採取する場合、一部分のみを切り取って解析を行う必要があります。このとき、切り取る部位を検体間で揃えていただくことを推奨しております(たとえば植物の葉の先端を解析に供するのか、根元を用いるのか、など)。部位ごとに代謝物質量が大きく異なることも考えられますので、どの部位を試験に用いるかなどは予め検討をお願いいたします。
 
・質量分析計(MS)の性質上、異なる時期に行った試験の数値を比較することは困難な場合がございます(春に測定したサンプルAの値と秋に測定したサンプルBの値を比較する、など)。比較を必要とするサンプルについては、必ず一試験内で同時に測定するようにしてください。

注文までの流れは?

ご注文にあたり、まずはお問い合わせください。Web面談等を通じて、試験目的に沿った受託解析プランのご紹介など、担当営業がサービスについてのご説明をいたします。お客様のご要望をお聞きしたうえで、受託解析サービスのお見積もりを作成いたします。見積書と同時にお渡しする発注書に必要事項をご記入のうえFAXにてご送付いただきますと、正式な発注となります。
メタボローム受託解析ご依頼方法~その後の流れ

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