本サービスの「分析フェーズ」では、HMTの技術的特長を活かし、バイオものづくりにおける課題の特定や改善提案などを行います。これらの取り組みが、本サービスの大きな特長となっています。
※以下は分析フェーズの標準的な流れの一例です。お客様のニーズに合わせて最適な解析プランを選択いただけます。
分析フェーズの標準的な流れ

分析フェーズにおいては、複数の技術を組み合わせて活用しております。その中でもバイオものづくりの生産性向上支援に大きく寄与し、本サービスの特長と位置付けられるものは、以下の3つの技術です。
- F-SCOPE PLUS によるラベル解析
- 13C-代謝フラックス解析(13C-MFA:13C-Metabolic Flux Analysis)
- フラックスバランス解析(FBA:Flux Balance Analysis)
F-SCOPE PLUS によるラベル解析
代謝フラックス解析を行うためには、13Cなどの安定同位体で標識された基質を細胞に取り込ませ、各代謝物質への安定同位体の蓄積量を測定する「ラベル解析」を実施する必要がありますが、試料種や対象物質によっては装置の感度不足が課題となっておりました。そこで、HMTの特許技術を用いた超高感度分析プラットフォームCE-FTMSを導入し、新たなプラン「F-SCOPE PLUS」を開発いたしました。これにより、従来の方法に比べ安定同位体で標識された物質群のより精緻なデータが得られ、信頼性の高いラベル解析を行うことが可能となりました。
13C-代謝フラックス解析(13C-MFA:13C-Metabolic Flux Analysis)
13C-MFAとは、ラベル解析で得られた実測データを説明するように代謝経路のフラックス分布を推定する手法です。ある代謝物質が別の代謝物質に変換される各反応の流束を推定できることから、バイオものづくりにおいて目的物質の生産性を上げるための非常に強力な解析ツールとなります。
HMTの13C-MFAの強み
- 革新的なフラックス解析測定技術
代謝中間体のラベルパターンの解析を行うことで、従来のGC-MS法では難しかった増殖停止期(定常期)の解析が、当社のCE-MS技術により可能となりました。
※増殖停止期はタンパク質の生成反応が低下するため、GC-MSを用いてタンパク質由来のラベルパターンを解析してフラックスを推定する汎用的な方法が使えません。
- 高感度測定技術
新解析プラン「F-SCOPE PLUS」は、従来プランに比べ10倍以上の感度を誇り、より微量な代謝物情報を得ることができます。
- 高精度フラックス解析
微量な代謝物の13Cラベル化情報を用いてフラックスを推定することで、より高精度な推定を可能にしました。
フラックスバランス解析(FBA:Flux Balance Analysis)
FBAは、細胞内の代謝経路をモデル化し、目的とする反応を最大化した際の理想的なフラックス分布をシミュレーションすることが可能な解析方法です。原料となる基質から生産対象の目的物質までの代謝経路の化学量論式をモデル化し、線型計画法により目的物質の生産が最大化されるフラックス分布を試算する事で、理論上の最大収率や、その際のフラックス分布を明らかにすることができます。また、現状のフラックス分布との比較を行うことで、理論上の最大収率に対する現在の収率の評価、収率や生産速度を向上させるための改変点の考察などを行うことができます。
Lactic acid 生産を例としたフラックス解析

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