HMTとアジレント・テクノロジーズ・インクが疾病・創薬研究用メタボロミクス・ソリューションを共同開発

アジレントの分離分析技術とHMTの解析手法を統合することにより研究者のメタボローム解析を支援

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(代表取締役社長:大滝義博、本社:山形県鶴岡市、以下HMT)とアジレント・テクノロジーズ・インク(社長兼CEO:ビル・サリバン、本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下アジレント)は本日、治療に有効な薬物の発見を支援するメタボローム解析統合ソリューションの共同開発を行なうことで合意に達したと発表しました。

今回の合意に基づき、両社は、HMTが開発した画期的なメタボローム解析法とアジレントのキャピラリー電気泳動技術(CE)ならびに質量分析技術(MS)を統合し、代謝マーカーを分析、同定、定量するためのメタボローム解析トータルソリューションシステムを開発します。生体内に含まれるあらゆる代謝物(メタボライト)を同定し定量する研究分野であるメタボロミクスは、ストレスや疾病時における生物の機能状態を理解するうえで必要な情報を取り出すためのもので、創薬研究における標的の特定に役立つものと期待されています。通常のヒト細胞は何千種類もの代謝物を含んでおり、今回HMTとアジレントが共同開発するソリューションは、質量分析法を基盤に、分析処理能力に優れた新たな手法を提供することを目的としています。

アジレントのライフサイエンス・化学分析グループ、プロテオミクス・ビジネスマネージャであるタイア・エルゲタ(Taia Erugeta)は次のように語っています。
「メタボロミクスはライフサイエンスにおける最先端の分野のひとつであり、アジレントの注力分野のひとつです。アジレントは、遺伝子発現、分離技術、質量分析およびインフォマティクスの分野でソリューションを提供しています。メタボロミクスにおけるHMTの研究開発成果と組み合わせることで、メタボロミクスの研究者に対し新たなソリューションをいち早く提供できると期待しています。」

アジレントとHMTによるメタボロミクス・ソリューションは今後6ヶ月以内に製品化される予定です。

HMT社長の大滝義博 博士は次のように語っています。
「メタボロームはゲノムやプロテオームに次ぐ新たな研究分野であり、メタボロミクスによって大きな進歩がもたらされるものと期待されています。アジレントの堅牢かつ高感度なCEおよびMS技術と我々の最新のメタボローム解析法との融合によって代謝物の迅速な同定が可能となります。このソリューションの提供によって医療や製薬、食品などの分野におけるメタボロームの解析作業がさらに加速されるでしょう。」

HMTとアジレントは、本日6月20日から23日にかけて鶴岡市で開催の 「第一回メタボローム国際会議」に参加します。

アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場におけるグローバル・テクノロジー・リーダーです。28000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2004年度、72億ドルの売上高を達成しました。

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズについて
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は、慶應義塾大学先端生命科学研究所の冨田勝所長および曽我朋義助教授によって2003年に設立された先進メタボロミクスプロバイダです。キャピラリー電気泳動・質量分析(CE-MS)を利用したメタボローム解析技術、および自社開発のソフトウェア解析プラットフォームを用いることにより、細胞内の1600種類以上の代謝化合物を一斉に高速、高精度で同定できます。HMTでは、すでに複数の製薬企業や食品企業などと提携し、創薬・医療診断・創食に関するバイオマーカー探索事業を中心に進めています。

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