概要
会期 |
9月11日(月)~14日(木) |
会場 | 西早稲田キャンパス |
住所 | 〒 162-0056 東京都新宿区若松町2-2 |
ランチョンセミナー
日時 | 9月13日(火)12:00~ |
タイトル |
酵母の代謝解析から見えてきた、ビールのオフフレーバー生成機構 |
演者 |
野場 重都先生 アサヒビール株式会社 酒類技術研究所 |
2-mercapto-3-methyl-1-butanol(2M3MB)はタマネギ様の香りのする含硫化合物で、ビールにおいては、ビール原料であるホップ由来のオフフレーバー(異臭)である。ホップ由来のため、ビールからしか検出事例のない特殊な香気成分であり、ビール業界においては、古くから低減策が模索されてきた。近年、我々は2M3MBの前駆体をホップから精製し、同定することに成功した。2M3MB生成挙動を追跡したところ、前駆体がビールの発酵中に酵母によって代謝され、2M3MBが生成することが明らかとなってきた。
本セミナーでは、企業における研究事例として、酵母の代謝解析から見えてきた2M3MB生成機構について、仮説も含めて紹介したい。発酵試験条件を変えて、HMT社のCE-MS解析を実施し、酵母中の代謝物を網羅的に測定した。その結果、酵母の硫黄代謝が2M3MB生成に大きく関与していることが明らかとなった。本研究については、ビールの国際学会であるWorld Brewing Congress 2016、European Brewery Convention meeting 2017にて報告した。