第7回がんと代謝研究会

 

概要

会期

8月1日(木)~2日(金)

会場

東北大学医学部 星陵オーディトリアム

住所 〒 980-8575 仙台市青葉区星陵町2-1
 

ランチョンセミナー

日時 8月1日(木)11:25~12:15
タイトル

ラット由来の複数試料種を対象とした

   CE-FTMSによるメタボローム解析結果

演者

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

堀内 雄太

 

低分子代謝物質の網羅的解析を行う「メタボローム解析」は、現在では広く生命科学分野の研究に応用されており、特に昨今の分析技術の進展によって、多様な物性を持つ代謝物質を高感度で検出し、生物学的な知見につなげることが可能となっている。がんの分野においては、がん細胞における「代謝の変動」が発症機序の解明や治療法の開発における大きなキーワードになっており、メタボローム解析との親和性も高い。

2003年に創業したヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)では、キャピラリー電気泳動システム(CE)と質量分析計(MS)を接続したCE-MSを基盤としたメタボロームの受託解析を行っており、年間500件超、累計で5,000件以上の試験実績を有する。CE-MSは水溶性の代謝物質の分離に強みを持つことから、糖代謝経路の物質や核酸関連物質など、がん研究において重要となる物質の多くを分析対象としている。その一方で、機器の性質上接続できるMSの種類に制限があり、既存の手法以上の感度を実現できる分析手法の開発が課題となっていた。

HMTでは自社における技術開発を通じ、従来は接続が困難であった高分解能のフーリエ変換型質量分析計(FTMS)をCEと接続する特許技術を開発し、両者を組み合わせた分析を行うことを可能とした。また、同技術を受託サービスに転用し、高分離能のCEと高分解能のFTMSをつないだ次世代型のメタボローム解析サービス「ω Scan」を昨年10月に発売するに至っている。

近年需要の高まっている研究領域として、多臓器間の代謝ネットワークの解析が挙げられる。特定の臓器、あるいは特定の細胞種のみでの代謝の変動を見るだけでなく、それらがどのように結びつき、影響を与えているのかを解析することで、更に生命現象を深く理解することが可能になると期待される。今回我々は、絶食条件下においたラットを用い、血液、筋肉、肝臓、心臓、大脳、白色脂肪といった異なる試料を同一のラットから採取したうえで、CE-FTMSを用いたメタボローム解析を行った。その解析結果を紹介するとともに、多臓器でのメタボローム解析の有用性についても議論したい。

 
 

学会の詳細は第7回がんと代謝研究会 in 仙台をご覧ください。

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