HMTウェビナー|2025年4月開催
大阪大学 吉森 保 先生 特別講演
「オートファジー:疾患と老化に対抗する細胞の守護者」

2025年4月23日HMTウェビナー「オートファジー:疾患と老化に対抗する細胞の守護者」

お申込みはこちら 
※申込締切:4月23日(水)14:00

ウェビナー概要

大阪大学 名誉教授
医学系研究科寄付講座教授
吉森 保 先生の講演をお送りします。

オートファジー:疾患と老化に対抗する細胞の守護者

= 要旨 =
 オートファジーとは、細胞内部に形成される膜構造オートファゴソームによって細胞質の物質や構造を囲い込み、リソソームで分解する細胞機能である。1993年の大隅良典博士による酵母オートファジー関連遺伝子の発見がブレイクスルーとなり、近年爆発的に理解が進んだ。演者は大隅博士と共に黎明期から分野を牽引しその発展に貢献してきた。オートファジーが細胞の恒常性維持に不可欠で多数の疾患を抑制する重要な機能であることが明らかになったため、大隅博士は2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した。
 我々が世界で初めて同定したオートファゴソーム結合タンパク質LC3は、オートファジーのゴールデンマーカーとして今でも広く用いられている(論文被引用数は7,000を超え、分野1位)。さらにオートファジーを抑制する新規タンパク質Rubiconの存在を突き止めるなど哺乳類オートファジーの分子機構について多くの成果をあげると同時に、オートファジーが様々な疾患の発症を防いでいることを示してきた。
 我々は、オートファジーが細胞内に侵入した病原性細菌を認識し排除することを世界に先駆け発見した。広く免疫細胞以外の一般の細胞が持つ生体防御機能として注目される。どのようにして細菌が認識されるのかも明らかにした。細菌排除機能の発見は同時に、選択的オートファジーの発見でもあった。構成的に常に起こって細胞成分の代謝回転を行う基底オートファジーは非選択的であるが、選択的オートファジーは有害物の除去に働く。例えば我々は、損傷を受けたリソソームも選択的オートファジーにより除去されることとそれが疾患抑制に重要であることを示した。
 さらに我々は、加齢によるオートファジーの低下がRubicon増加に起因することを明らかにした。Rubiconの発現を抑制すると、寿命が延長するだけではなく、パーキンソン病やポリグルタミン病等の加齢性疾患複数が抑えられた。細胞老化においても、Rubicon増加とオートファジー低下が伴い、Rubicon抑制で細胞老化を低下できることをin vitro及びin vivoで示した。またRubiconは、エクソソーム産生にオートファジーとは独立に関与していて、Rubicon抑制により高齢個体で増加する老化促進エクソソーム産生を抑止できた。すなわちオートファジーは健康長寿を実現するためのターゲットとなりえる。

日程・参加費用

日程 2025年 4月 23日(水)14:00~15:00
使用するツール Zoom
定員 先着順 500 名
参加費用 無料

・お申込みされた方は4月27日(日)までの期間限定で「見逃し配信」のご視聴が可能となります。
・弊社(HMT)競合他社様からのお申込みはお断りさせていただく場合がございます。予めご理解ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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当日までの流れ

ウェビナー当日までの流れ

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講演者情報

吉森 保 先生

【ご所属】

  • 大阪大学 名誉教授・医学系研究科寄付講座教授

【ご略歴】

1981年大阪大学理学部生物学科卒業。
同大学院医学研究科博士課程、関西医科大学助手、EMBL博士研究員を経て、1996年基礎生物学研究所助教授。
大隅良典教授と共に黎明期のオートファジー分野を切り拓く。
2002年国立遺伝学研究所教授として独立後、大阪大学微生物病研究所教授を経て2010年大阪大学大学院生命機能研究科及び医学系研究科教授。
2018年〜2022年生命機能研究科長。
2024年定年退職し、現在は大阪大学名誉教授、医学系研究科寄付講座教授。
文部科学大臣表彰科学技術賞、Highly Cited Researchers(6回)、上原賞、紫綬褒章他を受賞。
日本細胞生物学会会長(2016〜2018年)。
2019年大学発ベンチャーAutoPhagyGO創業。

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