バイオメディカルグループの篠田です。以前のメタブローグで、昨今のリン酸化プロテオミクスのめざましい進展にともない、タンパク質のリン酸化修飾サイトが、これまでの予想より広汎に存在することがわかってきたが、その意義は未解明である、と紹介しました。
上記の傾向は、高等生物になるほど顕著で、原核生物では、1つのタンパク質につき7個以上のリン酸化修飾(セリン、スレオニン、チロシン)のサイトが存在することは非常に稀ですが、真核生物では、1つのタンパク質につき150サイト以上も珍しくありません。
今回、その「超多重リン酸化」の生物的意義の一端をシステムズバイオロジーの手法で解明した論文が、ハーバード大学のグループから出たので、紹介します。…
こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。
こちら研究所は、おかげさまで正月ボケを一気に吹き飛ばす程の忙しさです。昨年と比べてもメタボロミクスの受託サービスが格段に普及したことを肌で感じることができ、所員一同、嬉しい悲鳴をあげながら測定データや報告書とにらめっこの毎日です。今年も、さらに広がりゆくメタボロミクスへの需要と期待に応えるべく、昨年までにじっくりと積み上げてきたノウハウを生かして取り組んでゆきます。
さて、年が明けてはや半月、正月ボケはすっかり抜けたものの、年末の暴飲暴食とお正月のおもちで膨れてしまったお腹と食欲は、なかなか元に戻りません。雪のために、外で体を動かす機会が少なくなったこの季節、健康の為にも、栄養の摂取と消費のバランスには注意を払いたいところですが…昨年末、栄養摂取と寿命に関する幾つかの興味深い研究成果が発表されました。…
バイオメディカルグループ(統計解析)の山本です。前回までは, 主に多変量解析を用いたメタボロームデータ解析について説明してきました. 多変量解析は回帰・判別モデルの構築や, データの視覚化には有効ですが, ある現象に特に大きく関わっている単一もしくは2,3の物質を特定することが目的であるバイオマーカー探索では, 単変量毎に仮説検定等を行うのがより直接的なアプローチです. そこで今回は, 主にバイオマーカー探索における統計的仮説検定に関する話をいくつか紹介したいと思います.…
こんにちは、分析グループの藤森玉輝です。理化学研究所植物科学の近くにある横浜市立サイエンスフロンティア高等学校で行われた第4回メタボロームシンポジウム(11月18日~19日)に参加してきました。
口頭発表は、基盤技術・分析手法で5件、インフォマティクスで5件、医療・医薬で8件、リピドミクスで4件、微生物・寄生虫で5件、植物で5件ありました。ポスター発表は、私の主観で分野を分けますと、基盤技術・分析手法で5件、インフォマティクスで9件、医療・医薬で9件、リピドミクスで3件、微生物・寄生虫で3件、植物で21件ありました。扱っている生物で区分けしますと、微生物・寄生虫が少なく、植物が多い印象を受けました。弊社では、口頭で大橋、ポスターで永嶋、山本、佐々木が発表を行いました。…
こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。
こちら鶴岡は、とうとう山頂付近に雪が積もっています! 山の下は相変わらずの雨模様ですが...以前に住んでいた関西では、この季節にこれほど雨が続くことはなかったので、風土の違いに驚く今日この頃です。 …
こんにちは、バイオメディカルグループの大賀です。
近頃、鶴岡の天気はかなり不安定です。雨の日が多く、ようやく晴れたと思いきや突然のゲリラ豪雨にがっかりさせられることも。天気に気分が左右される単純な者としては、からっと晴れてくれるとテンションも一気に上がります。本格的に雪が降りだす前に、一日でも多く、青空が見られるといいのですが…
さて、青くてテンションが上がる話題は天気だけではありません。こちらのニュース(サントリー社ウェブサイト”世界初!バイオテクノロジーで「青いバラ」の開発に成功!”)にも、私、かなり興奮しております。…
バイオメディカルグループの篠田です。マルチオミクスシリーズ第三弾として、プロテオミクスについて取り上げます。
質量分析計の発達により、一度に数千個のタンパク質を同定した論文が普通になり、さらにSILAC法を代表とする、複数種類の安定同位体アミノ酸を培養細胞に取り込ませピークを比較する方法で、定量的解析もできるようになりました。ノンコーディングRNAもあるとは言え、タンパク質が生命システムの主役であることを考えると、すでに我々は生命の部品カタログの完成に近づいているように思えますが、実際のところはどうなのでしょうか? 最新の論文から、プロテオミクス技術でどのくらいのタンパク質が見えるのか、まとめてみました。…
バイオメディカルグループ(統計解析)の山本博之です。9月6日~9日まで、京都の同志社大学で行われた、2009年度統計関連学会連合大会に参加してきました。
統計関連学会連合大会は、日本の統計に関する学会(統計学会, 計量生物学会, 計算機統計学会等)が、 一堂に集まる大きな学会です。 またオミクスデータの統計に関する研究発表が比較的まとまってあるところは、この統計関連学会しか知りません。 他にも人工知能学会のデータマイニングと統計数理研究会(僕も2年前に、メタボロームデータの統計解析で発表しました)や、機械学習関連のIBISに行くと、 少しオミクスの統計に関する発表があることもあります。…
バイオメディカルグループの篠田です。ポストゲノムがもたらした次世代シーケンサーについて・後編です。前編はこちらから。前編では次世代シーケンサー以前のシーケンシング法について触れました。後編ではいよいよ次世代シーケンサーについてです。シーケンサーの次世代化・超ハイスループット化はどのように実現されたのでしょうか?各社で方法は異なりますが、コンセプトは共通です。…
バイオインフォマティクスグループの篠田です。学会のレポートをします。
HMTは昨年に引き続きスポンサーブースを出したのですが、隣にはアルバータ大のグループが立ち上げたPANAMPという受託分析の会社がブースを出すなど、裾野の広がりを感じました。
注目した発表は、デューク大学のグループのもので、うつ病患者を、SSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)が有効なグループと無効なグループにわけ、有効か無効かを事前に見分けるバイオマーカーを探索する研究です。…