HMTが米国法人を設立 -マサチューセッツ州ケンブリッジにオフィスを開設-

研究開発型バイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社※1(本社・山形県鶴岡市、代表取締役社長・菅野 隆二、以下HMT)は、米国法人Human Metabolome Technologies America, Inc.(以下「HMT-A」)を設立し、マサチューセッツ州ケンブリッジにオフィスを開設いたしました。

米国東海岸には人口の25%が集中し、伝統的にヘルスケアビジネスが盛んです。その中でもサンフランシスコ、サンディエゴと並ぶ米国でも有数のバイオテクノロジー・クラスターであるボストン経済圏に位置するケンブリッジは世界中から優秀な学生が集まる学園都市で、ハーバード大学やノーベル賞受賞者を多数輩出するマサチューセッツ工科大学(MIT)といった教育施設だけでなく、マサチューセッツ総合病院など最先端の医学研究を行う病院も多数擁しています。また近年では大企業の研究部門がケンブリッジに集中してきています。

HMT-Aはこのような立地を最大限に活かし積極的に市場を開拓し、企業への販売網の構築、共同研究先の開拓および関係強化などを行い、米国市場でのプレゼンス向上を図ります。

開設の背景

米国は人口(3.1億人)の半数近くが肥満で2020年には生活習慣病患者が10倍になると試算されておりヘルスケアへの関心が高く、研究開発には日本の6倍の予算が計上されており、世界的に見ても潜在性が非常に高い市場です。また、米国の製薬業界がメタボロミクス※2からのアプローチが有効な研究分野(例えば薬効や作用機序などの研究、コンパニオン診断※3、パーソナル医療)を重点分野とする方針にシフトしてきていること、官・民・学・病院が一体化することによって新薬開発のコスト削減やスピードアップを図るトランスレーショナル研究が主流となりつつあり新技術が導入されやすい環境にあることなども開設を後押ししました。

注)日本は総合科学技術会議資料,内閣府,2005より、米国はScience and Engineering indications 2008, NSF, 2008より

販売商品

米国法人設立にあたっては新商品「カルシノスコープ」を開発しました。カルシノスコープはがん研究に特化した受託解析サービスで、がんの特徴である特殊な代謝経路はHMT独自の技術であるCE-QqQMS(Capillary Electrophoresis- triple quadrupole mass spectrometry; キャピラリー電気泳動-三連四重極型質量分析計)が得意とする解析対象であるため、今後の米国での販路拡大の足掛かりになると期待しています。

今後の展開

今後は海外でのビジネス規模を3年間で現在の3,000万円から10倍の3億円にすることを目標とします。また、営業活動を通して最先端の研究ニーズを把握し、米国だけでなく全世界で展開できる商品の開発を目指します。

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名称 Human Metabolome Technologies America, Inc.
住所 One Kendall Square
Building 600, Suite B6201
Cambridge, MA 02139
電話 617-871-9940
FAX 617-902-2434

 

プロファイル

※1 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社について
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社は、CE-MS(Capillary Electrophoresis- Mass Spectrometery; キャピラリー電気泳動-質量分析)法の技術をもとに2003年7月に設立され、メタボロミクスのリーディングカンパニーです。
主な事業内容はCE-MSを利用したメタボローム受託解析で、メタボローム解析技術を用いたバイオマーカー探索のほか、医薬、機能性食品、発酵プロセスの最適化などの分野で実績を上げています。今後は環境、エネルギー、化学などの分野も視野に入れ、幅広い分野での貢献を目指しています。

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※2 メタボロミクスについて
メタボロミクスは、細胞や生体内に存在するアミノ酸や糖、脂質などの代謝物質を網羅的に測定し、生命現象を総合的に理解しようとする研究分野です。遺伝子を解析するジェノミクス、たんぱく質を解析するプロテオミクスなどとともに、生命科学における解析手法のひとつとして注目されています。

※3 コンパニオン診断について
コンパニオン診断(Companion diagnostics;CoDx)とは、医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するために行われる臨床検査です。
CoDx は、薬剤の効果や副作用の個人差を検査により予測することで、奏効率や安全性の向上などを目的として実施されます。検査法に制限はなく、遺伝子診断、遺伝子発現検査、タンパク質や代謝物質などの血液成分検査、尿検査、画像検査(MRI など)が用いられることが考えられます。

※このニュースについてのお問い合わせ
営業・マーケティング本部 井元
TEL: 03-3551-2180

このニュースは下記のメディアで報道されました。

・山形新聞 2012年11月2日付8面
・荘内日報 2012年11月3日付1面
12月11月8日付Mass Bio HQ(週間トップニュース)
2012年11月8日付The Boston Globe

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