Metabolite of the Week|チロシン

Metabolite of the Weekでは、みなさまの研究にお役立ていただけますよう、代謝物質の機能や役割について紹介をいたします。
今回はチロシン(Tyrosine)について紹介をいたします。

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チロシン

チロシン

  • チロシンは非必須アミノ酸で極性側鎖を有します。
  • チロシンは主に肝臓でフェニルアラニンから合成されます。
  • チロシンは血液脳関門を通過しやすい数少ないアミノ酸のひとつです。
  • チロシンはドーパミン、L-ドーパ、アドレナリン、ノルアドレナリンといった、多くの神経伝達物質の合成原料となります。さらに、甲状腺ホルモン(T3、T4)およびメラニン色素の合成原料でもあります。
  • L-チロシンは3種類の構造異性体が知られています。パラ異性体である一般的なアミノ酸L-チロシンの他に、メタチロシン(3-ヒドロキシフェニルアラニン、L-m-チロシン、m-チロシンとも呼ばれます)、オルトチロシン(2-ヒドロキシフェニルアラニン、o-チロシンとも呼ばれます)の 2種類の位置異性体が天然に存在します。メタチロシンとオルトチロシンは、酸化ストレス条件下においてフェニルアラニンがヒドロキシラジカルによる非酵素的な水酸化を受けることで生じますが、その存在は稀です。
  • 脳内のノルアドレナリンは血漿中のチロシンを原料として合成されます。血漿中チロシンの濃度が脳内グリコーゲンの動態を予測するための貴重なバイオマーカーとなるかもしれません。
  • チロシンは主に肝臓で分解されます。チロシンの代謝異常は肝疾患の指標となり得ます。
  • チロシンの分解産物であるホモゲンチジン酸は、さらにいくつかの反応を経てアセト酢酸とフマル酸に変換され、TCAサイクルに供給されます。
  • チロシンは、コエンザイムQ10の一部を構成するベンゾキノン構造を合成するのに必要です。
  • 血清中のチロシン濃度の変化は、炎症マーカーとしてのインスリン抵抗性と関連しており、メタボリックシンドロームの診断に先立つグルコース代謝障害を意味します。
  • 血中チロシン濃度は、非アルコール性脂肪性肝疾患のバイオマーカーとなり得ます。

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おすすめ解析プラン

HMTでは測定したい物質や目的に合わせた解析プランをご用意しております。
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ベーシックスキャン Basic Scan(ベーシックスキャン)
生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の網羅測定に最適なプラン
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シースコープ C-SCOPE(シースコープ)
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