第68回日本酸化ストレス学会学術集会

HMTは鹿児島県鹿児島市で開催される第68回日本酸化ストレス学会にて出展およびランチョンセミナーを行います。

概要

会期 6月11日(木)~12日(金)
会場 かごしま県民交流センター(鹿児島県鹿児島市)
住所 〒892-0816 鹿児島市山下町14-50
ランチョンセミナー 6月11日(木) 12:00~13:00
ランチョンセミナー
酸化ストレスによる代謝リプログラミングのメタボロミクスを用いた解析と応用
演者
姜 文一
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社
日時
2015年6月11日(木)12時00分~13時00分
参加費
無料(お弁当付き)
要旨
代謝物質はこれまで生体がストレス環境でも恒常性を維持するために構成している一連の生体反応機構の最終産物と一般的には考えられてきた。特に酸化ストレスを含む体外からの様々な刺激は、遺伝子またはたんぱく発現の変動を伴う一連のシグナルの変化を引き起こす一方、体内の中間代謝物などは遺伝子転写後の修正などの結果として単純に細胞増殖に必要な栄養分を提供する要素と意識されてきた。しかし、近年では特定の代謝またその代謝物質により転写レベルあるいはたんぱく質の変動に与える影響が大きいことが明らかになり、代謝物質は細胞増殖の調節にも重要な役割を担っているとも考えられる。このことから創薬研究においても代謝物質は疾患治療のターゲットとなってきている。

酸化ストレスは生体内で多くのシグナル伝達に変化を与えている上に、多様な細胞死の調節にも密接に関わっていることが知られている。特にミトコンドリアは、その異常により疾患の原因になるだけではなく、様々な細胞死を決定するキーマンとしての役割から神経変性疾患、癌などに幅広く関連していると考えられている。細胞死制御には酸化ストレス環境というのが鍵であり、代謝異常を伴うミトコンドリアの機能喪失は抗酸化反応の転写活性が関わるのではないかと予想されている。細胞が直面する環境、正常状態あるいはストレス状態によりそれぞれ違う栄養産物へのアクセスや酵素活性に必要な代謝経路の再編成が要求されることから、酸化ストレスによりどのように代謝経路が調節されるかに関心が高まっている。代謝物質による変化や代謝経路の再編成への理解は、疾患の原因究明や治療に大きく貢献できると考えられる。

メタボロミクスは代謝物質の構成やその濃度を網羅的に解析することで生体反応の変化やメカニズムを究明する分野であり、代謝プロファイルを調べることで遺伝子型と表現型間の相関関係を説明できる最新の手法である。また、メカニズム解明のターゲット解析をはじめ化合物のスクリーニングなどのプロファイリングや診断や創薬マーカー探索など網羅的な解析から定量的な同定まで幅広く応用できる。本セミナーでは基本的なメタボロミクスの流れの紹介と、酸化ストレス影響による代謝プロファイル変化を調べた様々な研究解析の例を紹介する予定である。

学会の詳細は第68回日本酸化ストレス学会ウェブサイトをご覧ください。

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