2022年6月開催
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 室谷進先生 特別講演
「食肉の代謝成分を網羅的に把握する
ーー 熟成過程の変化を中心に ーー」

ウェビナー概要

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
畜産研究部門 主席研究員 室谷 進 先生の講演をお送りします。

食肉の代謝成分を網羅的に把握する
-- 熟成過程の変化を中心に --

= 要 旨 =
食肉は貯蔵によりその食味性が大きく変化する。牛肉では、熟成後に独特の香りや食味が形成されるが、その脂身、赤身肉における成分の生成については限定的にしか知られていない。私たちは、黒毛和種牛等の牛肉や豚肉の赤身部分について、おもに熟成過程におけるメタボロミクスにより水溶性成分の含量を網羅的に分析し、その変動や生化学反応ネットワークの解析により、熟成中の成分動態やその変動メカニズムを解明してきた。牛肉を例とすると、成分は牛肉貯蔵条件だけでなく、牛の品種や月齢、飼料の内容、雌雄、骨格筋(牛肉)部位によっても変化する。一方、牛の死後の骨格筋、すなわち畜肉の変化は最もダイナミックであり、とても興味深い。死後、生存時の骨格筋内へのエネルギー供給がなくなり、その多様な機能が維持できなくなる。すると骨格筋タンパク質が分解され、アミノ酸やペプチドが増加するだけでなく、ATP等のエネルギーの消費・分解により関連代謝物が増加する。牛ではと畜直後から冷温貯蔵の熟成過程において代謝反応が複合的に進行し、食味成分を含む代謝物が生成または消失して豚肉や牛肉の食味が変化する。すなわち、牛肉の熟成期間の長さで食味は異なる。また、牛の品種や骨格筋部位によっても、食味を示す成分の含量が異なる。本講演では、熟成過程を中心として、メタボロミクスから見えてきた牛肉や豚肉の代謝成分の変化や違いについて話題を提供する。

講演の最後に質疑応答の時間がございますが、時間の関係上全ての質問にお答えできない場合もございますので、予めご了承ください。

 

日程・参加費用

日程
2022年 6月 22日(水)14:00~15:00
※終了時刻は質疑応答の関係で多少前後する場合がございます。
使用するツール
Zoom
定員
先着順 300 名
参加費用
無料

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当日までの流れ

ウェビナー当日までの流れ
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お申込み

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講演者情報

室谷 進 先生

【ご所属】

  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 主席研究員

【ご略歴】

  • 2001年4月-2006年3月 独立行政法人農業技術研究機構 畜産草地研究所 品質開発部 主任研究官
  • 2008年3月-2009年3月 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 長期在外研究員(デンマーク・コペンハーゲン大学)
  • 2009年4月-2009年9月 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 日本学術振興会特定国派遣研究者(デンマーク・コペンハーゲン大学・客員研究員)
  • 2006年4月-2016年3月 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 主任研究員、上席研究員等
  • 2016年4月-現在 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 食肉制御ユニット長
  • 2021年4月-現在 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 主席研究員