鳥取大学医学部 三浦典正先生へのインタビュー、後篇です。前篇はこちら。
―先生のご研究へのモチベーションとなっているものは何ですか?
医師になろうと思ったきっかけは、ちょうど大学に入る前に「死よ驕るなかれ 」という本を読んだことです。未分化型脳腫瘍のお子さんの闘病記なんですけど、書いておられるのは父親で、アメリカ人のジャーナリストの方です。お子さんの闘いぶりを読んで、癌がこの上なく憎たらしくなりまして、医学部に進みました。…
バイオメディカルグループの篠田です。今回は、ゲノミクス、話題の次世代シーケンサーについてです。
次世代シーケンサの開発競争は激しく、ロシュの454、イルミナ社のGenome Analyzer、アプライド社のSOLiDなどが競っており、最新の情報に追いつくだけでも大変なように感じます。シーケンスやPCRの原理も各社で異なります。
しかし、基本となる「コンセプト」は、とても似通っています。…
バイオマーカー・分子診断事業部の藤森です。前回のがんとメタボロームの続きについてお話したいと思います。
前回は、がん細胞はエネルギー獲得と同時に増殖に必要な細胞内構成成分を生合成するのに有利な代謝を行っていること、グルコースやグルタミンを大量に取り込み、解糖系およびグルタミン分解が活性化されていることをお話しました。
グルコースは解糖系でピルビン酸に変換され、乳酸脱水素酵素によってさらに乳酸に変換されます。グルタミンも、グルタミン酸を経て、2-オキソグルタル酸に変換され、ミトコンドリア内のTCA回路に入り、リンゴ酸が生成されます。生成された一部のリンゴ酸はミトコンドリアから再び細胞質へ出て、リンゴ酸脱水素酵素によってピルビン酸に変換され、グルコース由来のピルビン酸の場合と同様に乳酸に変換されます。そのため、ピルビン酸から乳酸への反応はがん細胞代謝において非常に重要な働きをしています。
がん細胞内で、乳酸蓄積に関して、グルコースとグルタミンがどの程度寄与しているかについては大変興味深い問題で、いずれお話したいと思いますが、今回はピルビン酸から乳酸を生成する乳酸脱水素酵素に着目して、この酵素ががん細胞の増殖に重要であることを示した論文について説明します[1]。…